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グローバリズムの真実~国際結婚の是非①~

その人といることは、一人でいる時のように自由で、しかも、大勢でいる時のように楽しいの。(ジェーン・エア/シャーロット・ブロンテ)

私は育て親(大叔母)が生涯未婚だったことが影響したのか、もともと結婚願望はない方だったのですが、10代の頃から趣味で登録していたペンパルサイトで、偶然知り合ったロシア人男性と縁が出て婚約しました。この記事では、その婚約者と、これまで交流したヨーロッパの友人から教えてもらったことをもとに、欧米の宗教や法制度に焦点を置いて、国際結婚(主に日本人女性と欧米人男性の結婚)の是非について考察してみたいと思います。

一般的に国際結婚は離婚率が高いといわれますが、近年日本人同士の離婚率が上昇したことで、それほど顕著な違いはみられなくなっています。興味深いことに、日本人女性とイギリス人男性の組み合わせなどは、日本人同士、イギリス人同士よりも離婚率が低いというデータもあります。

もともと日本の婚姻制度は19世紀後半にヨーロッパから導入されたもので、国教(神道、仏教など)との結びつきがなく、聖書(家族のあり方について書かれたルールブック)も読まれないため、日本人同士の結婚は育った家庭固有の価値観に影響されやすいのではないかと思います。私がこれまで知り合った中で、明らかな価値観の衝突がみられた夫婦は、男性側が共働きの公務員家系出身で、女性側が専業主婦当たり前の自営業家系出身でした。

昔は家制度の考え方が残っており、似たような家柄の者同士でお見合い結婚をして、多少の違いは女性側が男性側に合わせることで解消していたのだと思いますが、恋愛結婚が主流になり、結婚観が大きく違う者同士の結婚が増え、男女同権意識の高まりから女性側の主張が強くなったことで、離婚率が上昇したのだと思います。また、夫婦関係が破綻したまま婚姻関係を継続するケースも多く、それにより不倫など別の問題が浮上してきたと思います。

私は母や祖母が家庭と仕事を両立するのに苦労したので、もし結婚するなら『家事してくれる人がいい』そして『不倫しない人がいい』という漠然としたイメージをもっていました。婚約者とは、家族構成など類似点は多かったのですが、元共産主義国出身なので、共働き&家事分担が当たり前だと思っているところと、敬虔なクリスチャンとして不倫は論外だと思っているところが印象深く、わりと早くに信頼関係を築くことができました。日本人男性は多くが専業主婦家庭で育った無神論者なので、家事に対する分担意識や貞操観念の強さなどを見極めるのはそれほど簡単ではないと思います。

ここまで国際結婚に関して肯定的な内容を書きましたが、これから否定的な内容を書いていくので、国際結婚するか迷っている方や、既に婚約したが、相手国に移住するか、子どもをもつかで迷っている方にはぜひ参考にしていただき、自分にとって無理のない生活を送るための判断材料にしていただけたらと思います。特に②と③については別記事『グローバリズムの真実~フェミニズムという宗教~』もあわせて読んでいただけたらと思います。


①相手の母国語を習得できるか

 結婚後に日本で暮らす場合でも、相手に不公平感をもたせないように、ある程度は相手の母国語を習得した方が良いと思います。実際にどの程度習得できるかは別として、相手の母国語に興味がない場合、相手の文化を尊重する気持ちがないのとほぼ同義になるため、国際結婚そのものを考え直した方が良いと思います。

 英語以外の言語は動詞の人称変化が複雑で、名詞に性が存在する(一部例外あり)のに加え、フランス語、イタリア語などは時制が複雑で、ドイツ語などは冠詞が格変化し、ロシア語などは名詞が格変化します。発音が難しいとなおさら慣れるのが大変ですが、これらの言語は学習者がそれなりにいるため、書籍も多く販売されており、独学も難しくありません。   

 しかし、学習者の少ない言語だと文法書や辞書がほとんど出版されてないので、情報不足になります。私は以前、現代ギリシャ語を習いたいと思ったとき、日本に良い教材がないため、通販で英語圏の教材を購入したのですが、電子辞書が販売されてないので、単語を調べるのに時間がかかり、かなり不便だったのを覚えています。

②金銭的な責任をとれるか

 自分が相手国に移住することが前提の場合、よほど海外経験が豊富で活かせるキャリアがあるわけでないなら、考え直した方が良いと思います。最近では、婚前契約で結婚後の財産管理や離婚後の財産分与について事前に取り決めることが一般的になりつつあり、相手の稼いだお金を無断で遣う行為が刑事罰の対象となることもあります。もともと日本のように妻が夫の財布の紐を握るような習慣がないため、自分で稼げなければ自由に遣えるお金は手に入りませんし、パートでお小遣い稼ぎ程度に働こうにもフランスなどのように非正規雇用そのものが一般的でない国もあります。

 欧米は男女平等指数が高いといわれますが、裏を返せば専業主婦の立場が弱く(一部の富裕層を除く)、経済力のない女性の人格を尊重しない女性蔑視の思想が根付いた社会であるといえます。日本のフェミニズムは女性の権利の拡張のみ重んじる傾向がありますが、欧米のフェミニズムは女性の権利と義務の双方の拡張しているため、女性でも男性と同等の義務を果たすことが求められます。また『女性はみな母になるべき』という保守的な価値観も未だに残っているため、働きながら子どもを育てる以外のライフスタイルは日本ほど容認されません。

③共同養育について理解できるか

 子どもをもつことが前提の場合、共同養育について理解できなければ、考え直した方が良いと思います。日本では子どもは出産した母親のものという認識が強く、離婚したら母親が単独親権を得て、父親に一切子どもとの面会をさせず、養育費だけを一方的に請求するというのが容認されますが、欧米でこのような対応はトラブルになる可能性が非常に高いです。また、離婚前に子どもを無断で実家に連れ帰る行為は刑事罰の対象となります。

 日本はハーグ条約に加盟してからも、子どもの連れ去り問題について解決の目途が立たないことから、ここ数年、国外からの非難が高まっているため、今後、共同親権を認めるように法改正が行われる可能性があります。また、欧米で日本のように協議離婚を認める国はロシア、オランダ、スウェーデンなど一部の国に限られるため、調停に持ち込まれる場合が想定されます(イギリスのように日本の協議離婚を有効とする国もあります)。

 知り合いにイギリス人男性と結婚し、日本で暮らしている女性(DINKs)がいるのですが、お互いの母国語が理解でき、家事分担や親戚づきあいで揉めることもなく、経済的、時間的な余裕もあり、すごく幸せそうです。日本人男性は子どもをもつことを目的にする人が多いですが、欧米人男性は夫婦になること自体を目的にする人が多く、夫婦別姓で適度に距離をとりながら、夫婦生活を満喫できるのが国際結婚の良さかもしれません。

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