テクニックについて

ネタをどう展開させていくべきかという相談を受けることがあるが僕はネタ作りをする上でネタを展開させようと思ったことはあまりない。

よっぽど困ったときはあるけど。あまりない。

それは三段落ちや天丼といったテクニックにも言える。

※三段落ちというのは2つ目までふって3つ目でボケること。

(例)
ツッコミ・夏と言ったらなんですかね?
ボケ・やっぱりスイカ、花火。でも一番はドンキホーテの前にたむろするヤンキーですよね。
ツッコミ・確かにいるけど!一番じゃねえだろ!


※天丼とは一度使ったボケを再びかぶせること。

(例)
ツッコミ・今日は綺麗なお客さん多いですね。
ボケ・そうだね。特にそこの女性なんかドンキホーテの前にたむろするヤンキーみたいですね。
ツッコミ・もうええねん!

展開や三段落ちや天丼というのは元々あった訳じゃなくてネタを分析する気取った評論家みたいな人がつけただけの言葉のような気がする。知らんけど。

天才と言われるコメディアン達はそんなこと考えてネタは作っていないと思う。そもそも昔はそんな言葉なかった訳だし。

自分が面白いと思ったことをやっていたらたまたまそれが展開だったり三段落ちだったり天丼になっていただけであり意識はしていないと思うんだ。

僕は天才じゃないけどなるべく意識はしないようにしている。

ネタを作る際はお客さんのことを想像する。

このボケを入れたらお客さんが笑うだろうな。とか。このボケは男は笑わないけど女の子は笑ってくれるかな。とか。

そうやって作っていくうちにたまたま展開になっていたり三段落ちができていたり天丼が入ってくる。それが正しいと思う。

そうやって作らずテンプレートに当てはめながら作られたネタはそれなりに面白いけどワクワクしないネタになってしまうのかなって思う。

最近後輩にネタを見てくれって言われて見たんだけど全然笑えなくてさ。

思わず聞いてしまった。

「それ本当に自分達が面白いと思ってやってんの?」って。

めちゃくちゃ辛口かもしれないけど僕は純粋に聞いただけ。

そしてこれはとても重要なことだと思っていて特に漫才師は教科書が多いからテンプレートに当てはめてテクニックでネタを作ることができてしまう。

自分が面白いと思っていないことをやっている漫才師は意外と多い気がする。それでもウケちゃう時があるから。

そんな芸人は当然お客さんを想像しながら作っているはずもなくクソつまらない。

僕も漫才をやっていたときはそうだったから。

そういう考えはいち早くやめて少なくとも自分が面白いと思うことをやって欲しい。

そうすればパクリなんか絶対なくなるしテクニックに頼ることなく笑いがなくても納得して舞台から降りられるはず。

僕の仲間で「自分が面白いと思うことしか絶対にやらない!」という強い意志を感じる芸人がいる。

そいつは普段は器用で頭も良いけどネタになると本当にバカげたネタばかりやりすべることもある。

でもそれで良い。テクニックやパクリに走る芸人なんかお笑い界に必要ない。

極めれば売れるかもしれないが僕らレベルでは売れる可能性は0だ。

是非その芸人のように思いっきり自分のやりたいことだけをやって欲しい。

そもそもまともな世界で生きられないし生きたくないからヤクザな世界来ちゃったのに今更優等生のネタなんか出来るわけないんだよ。

あ、一応その芸人の名前あげとこう。有料で。

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