環境と芸風

わかりやすく芸風変わったなっていうのは名古屋でお笑いやったとき。

脳梗塞でリハビリしている2年間は実家の名古屋で過ごしていたんだけど、体は元気だったからさ。

どっかんプロっていう名古屋のお笑い事務所で少しお世話になっていた。

そこは東京の地下と違ってライブが月に2本しかなかった。

東京では毎日どこかでお笑いライブがあるのでその気になれば月に40本近くライブに出ることができる。

月に2本は少な過ぎるように感じたがリハビリ中の僕にはちょうどよかった。

あ、もちろん名古屋の売れっ子芸人はラジオや営業の仕事もあるから暇ってわけじゃないよ。ただライブが少なかったってだけね。ちなみに。

まあでもそうなるとお客さんにとってお笑いライブというのが割と特別なものになってしまう。

東京のお客さんは毎日のようにお笑いを見ているのでベタなものに飽き飽きでどんどん複雑でシュールで新しいものを求めるようになる。自然な流れで。

しかし名古屋のお客さんはベタなものでいい。いやベタなものがいい感じがした。

僕が呼んだ高校の同級生なんかもお笑いライブに免疫がないからベタな方がよく笑った。

それに加えて名古屋にある劇場は高架下にあり5分に1回くらい電車がガタンゴトン通り過ぎていく。

だから僕はそこの劇場では絶対にコントはしないって決めていた。

フリが長いコントをやっている最中に電車が通ると本題を理解させることができない。

僕は途中で電車が通ってもどうにかなるフリップネタに自然とシフトするようになった。

また元々やっていた「夢なんす!」というネタも横を向いて女の子の声で喋るネタなのでそれも聞こえ辛くできなかった。

よって「セクハラ甲子園」というお客さんに向かってフリップを見せながら叫ぶというネタが完成した。

また「芸能人前科あるなしクイズ」や「貴乃花モノマネ」などとにかくお客さんを巻き込むネタが多くできた。

東京や賞レースでは客いじりは評価されないから今までやらなかったけど名古屋ではそういう新しい自分に出会えた気がする。

これが環境によって芸風が変わるということだ。

そして今、ZOOMという新しい環境に身を置いている。

ZOOMはお客さんや芸人に接触せず密にならずにネタができるメリットがある反面デメリットもたくさんある。

①まずフリップネタがやりづらい。

通常通りフリップを置いてネタをやろうとすると画面から離れてしまうし近過ぎると自分の顔が見えない。また光の加減でフリップが見えづらいこともある。

別に構わないっちゃー構わないんだけど舞台と違う感じに慣れ過ぎてしまっても仕方ないなって思ったりするからさ。

フリップをスマホに代用したりZOOMの画面自体をフリップにしてしまうという手もあるけど僕はとりあえず僕はやらないようにしている。

②あとは音響が非常に使いづらい。

BGMを使ったネタを最初の頃はよくやっていたが性能の低いパソコンから配信すると音がプツプツ切れてしまってお客さんがネタに集中できなくなる。

場当たり、リハーサルを何度か繰り返せば問題ないんだけど面倒で最近はBGM使ったネタはやらなくなった。

③あとは滑舌。

これはR-1復活ステージの配信でも気づいたけどとにかく配信はゆっくり丁寧にやらないと伝わらない。

普段通りのテンポだとラグが発生してズレることが多々ある。

だからZOOMではいつもよりもかなりゆっくりやることが大事。

④あとこれが実は1番重要なのかもしれないけど

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