勝手に芸人思い出note17【ナインティナイン】

《第一章初めて見た日》

僕が初めてナインティナインを見た日っていつだろう?

めちゃイケなのかな?

それまで僕の中のバラエティと言えば

・志村けんのだいじょうぶだぁ
・とんねるずのみなさんのおかげです
・笑っていいとも
・ダウンタウンのごっつええかんじ

多分この流れ。

そこに急に飛び込んできたお洒落でカッコいい演出満載のバラエティ。

テロップとナレーションを駆使した新しい笑い。

僕は一気に心を掴まれた。

普段学校でバラエティの話なんか絶対しないのに(理由としては僕と感覚が合うお笑いレベルの高い友達がいなかったから。)「めちゃイケ見た?めちゃくちゃ面白いね!」と興奮しながら話したのを覚えている。

そしてそんなめちゃイケの真ん中にいたのがナインティナインだった。

ただ正直言って僕はナインティナインをそこまで面白いと思っていなかった。

めちゃイケは面白いけどナインティナインは普通。そんな風に思っていた。

その後もジャングルテレビや笑っていいとも、ASAYANなどでナインティナインを見かけるけど、タモリさんやモーニング娘。が好きであって、ナインティナインを見ようとして見たことはなかった。

でも今考えるとナインティナインはどんな番組にもフィットして邪魔をしない存在だったんだと気付かされる。

例えば僕は千鳥さんはブラマヨさんが好きで番組を見ることがあるけど、逆に千鳥さんやブラマヨさんが嫌いで番組を見ない人もいると思う。

それだけこの2組はアクが強い。

だからこそ面白いんだけど生理的に無理な人も多いんだと思う。

その点ナインティナインは2人とも熱狂的なファンはいても熱狂的なアンチはいなかった気がする。(当時は。)

元気で爽やかでそつなく何でもこなす関西のお兄ちゃん。

ナインティナインは僕にとって新しいお笑い芸人だった。


《第二章出会った日》
僕は17歳でお笑いの世界に入った。

NSCの生徒達が「めちゃイケ大辞典買った?」と騒いでいるのを馬鹿にした目で見ていた。

当時めちゃイケは隆盛を極めバラエティのトップに君臨していた。

そこでめちゃイケ大辞典というめちゃイケの歴史?を書いた本が出版されたのだ。

ただ僕はその頃のめちゃイケはもうあんまり好きじゃなくなっていた。

斬新だった企画や演出も色んな番組に真似されてめちゃイケ自体も埋もれていた。

ましてやめちゃイケ大辞典という子供騙しの本なんか出してもう終わりだと思っていた。

僕はお笑いを始めていたし、新しいもの好きだったから、めちゃイケよりオンバトに夢中になっていた。

あ、でも笑わず嫌い王は見ていたけどね。

そんなめちゃイケから距離が空いていた僕なんだけど岡村さんが入院されたときは流石に不安になった。

もう戻ってこないんじゃないかと思った。

岡村さん不在の中めちゃイケ新メンバーオーディションが開催された。

事務所から参加するよう言われて僕も参加させて頂いた。

子供の頃から見ていためちゃイケメンバーが目の前にいる。それはそれはめちゃくちゃ緊張した。

二次オーディションで落とされちゃったけど良い思い出だったな。

2013年にはぐるナイおもしろ荘にも出してもらい今度は岡村さんにも会えた。

岡村さんは僕のネタでいっぱい笑ってくれた。

子供の頃から見ていたテレビスターを身近に感じた瞬間だった。

《第三章近年のナインティナイン》

ナインティナインは徐々にアンチも増えめちゃイケも後期はかなりやばい状態だった気がする。

特別面白い訳じゃないのにアンチだけ多い。

これはまずい。

ただ僕が知らないだけであってナインティナインのオールナイトニッポンは熱狂的なファンがいたんだね。

僕はラジオは聴かなかったので全然知らなかったけど確かに小学生の頃、友達がオールナイトニッポン録音したやつ貸して!」みたいな会話しているの聞いたことがあった。

ナインティナインはラジオが面白いコンビなんかなって思った。

でも矢部さんがオールナイトニッポンを卒業したのを機にそのラジオの評判もあんまり良いものじゃないと聞いた。

僕は小学生の頃からオールナイトニッポンを聴いていたという友達に聞いたんだけど「ナインティナインのオールナイトニッポンは聴いていたけど岡村隆史のオールナイトニッポンは1年くらいで聴くのを辞めた。」と聞いていた。

ナインティナインは終わりだと思った。

矢部さんが出演するアウトデラックスとか超面白いし矢部さんの横は岡村さんじゃなくマツコさんでも良いと思った。

そんな中、岡村さんのオールナイトニッポンでの問題発言。

僕は全く聴いたことがなかった岡村隆史のオールナイトニッポンを初めて聴いた。

終始謝り続ける岡村さん。それはそれで面白かったけどそこに矢部さんが登場し言った一言に僕は度肝を抜かれた。

「俺らなんか大したことないやん。」

あ、2人とも知ってたんだ。そう思った。

確かに近年の岡村さんは年齢を重ねて以前より番組スタッフなどに横柄な態度をとってしまっていたかもしれない。

でも根底では2人とも自分達が運でここまできて大したことないことを知っていたのだ。

そしてそれを公の場で白状したのだ。

僕はここまでナインティナインを追い込んだ方々を許せないと思ったし、矢部さんの勇気に感動したし、やっぱり岡村さんがした発言はよっぽど酷いことだったんだと気づき涙が止まらなかった。

矢部さんの公開説教はコンビ経験のある僕からすればちょっと言い過ぎかなとも思ったし岡村さんからすればイラッとする部分はあるかなと思ったけど、世間の溜飲を下げるにはちょうど良かったと思う。

そしてそんな公開説教はエンタメとして最高に面白かった。

翌週、また翌週も矢部さんは岡村隆史のオールナイトニッポンに来た。

そして僕も珍しく深夜まで起きて聴いた。

いつしかナインティナインに夢中になっていた。

そして5月14日。ナインティナインのオールナイトニッポンが復活することが決定した。

ヘビーリスナーだった芸人仲間達はツイッターで歓喜していた。

そして全くの新参者である僕ですら歓喜した。

まだ2週しか聴いていないのにナインティナインのオールナイトニッポンは面白かった。

僕はこれから毎週ナインティナインのオールナイトニッポンを聴くだろう。

派手な演出やテロップもなければ、タモリさんもモーニング娘。もいないオールナイトニッポン。

でもめちゃくちゃ面白いナインティナインはそこに存在する。

様々な意見はあると思うけど僕は「面白い」だけを優先する。

だから聴く。以上。


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