講師はいつも謙虚さを忘れてはならない
先日、講座に参加された生徒さんから、
『以前、別の団体の講座に参加したのですが、担当講師から
「あなたセラピストなのにそんなことも知らないの!?よくもまぁこれまでやってこれたね。」
って言われて、泣きながら講習を受けたことがあります』
という話を聞きました。
同じ講師として信じられない出来事(発言)で言葉を失いましたが、なぜこんなことが起きるのでしょうか。
■講師の経験不足
人間は言葉や、言い方を選ぶことができます。
そこでわざわざ相手が傷つく可能性のある言葉や言い方を選ぶということは、伝達のボキャブラリーが少ないとしかいえません。
そして、生徒にマウントをとる背景には、経験不足から成る、自身の余裕の無さが伺えます。
私の知る限りでは、有能な講師や上司は、柔らかい言葉、且つその人の知識量に合わせた言葉で指導します。
“そんなことも知らないの?”なんて愚問の極みです。
■受講生の目的を把握していない
受講生の受講理由は様々ですが、大枠でみれば知らないことを学びたいから受講しています。
あまりにも当たり前すぎて、ここに書くのも馬鹿らしくなってきますが、そんな当たり前なことですら把握できていない講師がこの世にはいるということです。
よく“小学生でもわかるように”と、指導の基本としていわれていますが、それはすなわち、
『指導する側は、10年くらいしか生きてない子供が受講しにくる』ことを前提に言葉選びをする必要があるということです。
10年の人生経験でどれだけのことを知っているでしょうか?
前述した受講生は現役セラピストでしたが、受講生のキャリアは一旦クリにして、“知らないことだらけの小学生”に指導する気持ちで取り組むことが大切です。
■講師も同じ指導を受けていた
これは少し考えにくいですが、その担当講師もかつては同じようなマウント指導を受けていたのかもしれません。
ただ、私の個人的な感覚では、自分がされてイヤな経験は、他人にしないものです。
私が過去に出会った人達は皆そうでした。
しかしながら、全ての人に当てはまるとは言えませんし、それを擁護するつもりは一切ありません。
例えそれが“生徒を想うが故の厳しさ”であっても、厳しさのベクトルが間違っています。
■最後に
偉そうに語ってきましたが、私も「講師の鏡といえるほどの存在か」と問われたら決してそんなことはありません。
会ったこともない他の講師に『あなたは間違っている』なんて指摘できる身分でもありません。
しかし、
受講生を泣かせる必要があるでしょうか?
その言葉を飲み込めなかったのでしょうか?
他に言葉がなかったのでしょうか?
答えは簡単です。
泣かせる必要は皆無、
もっと受講生に寄り添える言葉があったはずです。
確かに、言葉を上手に伝えることは簡単ではありません。
しかし謙虚さをいつも胸に留めておくことで、もしかすると少し容易になるかもしれません。
講師はどれだけ偉くなっても慢心を抱いてはいけないと、私は思います。
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