【セラピスト相談室】個人サロン開業を目指すAさん
今回はリフレクソロジー専門で個人サロン開業を目指すAさんからいただいたご相談を共有します。
Q:先輩セラピストに『リフレクソロジーをやるなら、リフレクソロジーだけやった方がいい。色んなセラピーに手を出さない方がいい』と言われたのですが、本当ですか?
う~ん・・・
個人的には半分正解、半分違うかも?
といった感じです(^-^;
というよりも、先輩セラピストさんは大事な問いかけを忘れています。
※ここからはあくまでも持論ですので、参考程度にお読み下さい
■何故そのセラピーを選んだのか?
たまにセラピストとしての目的と手段がごっちゃになってる人がいます。
我々の仕事、または目的は十人十色様々あると思いますが、
大枠で言えば、『人を癒すこと』あるいは『健康のサポート』になります。
リフレクソロジーやドライヘッドスパ、ボディケアやアロマトリートメントなどの所謂“手技”、というのは、
目的を達成するための手段になります。
『あなたの仕事の目的は何ですか?』という問いに対して、
『身体をほぐすことです』という返答は、ある意味間違いではないですが、目的と手段がごっちゃになっている典型と言えるでしょう。
細かいことかもしれませんが、ここはしっかりと自分の中で意識しておいた方がいいです。
何故なら、
これから訪れるであろう様々な分岐点で、セラピストの仕事について悩み、自問自答する機会があるとすれば、この目的と手段が軸になります。
軸があれば、舵を切るのがラクになります。
話が少しそれてしまいましたが、
私はAさんに、
『どうしてリフレクソロジーを選んだの?』
と質問しましたが、
「なんとなく・・・できそうかなって・・・(^-^;」
という回答でした。
これでは『リフレクソロジーだけやった方がいい』と言われても、そのうち
“なんで私はリフレクソロジーをやっているんだろう・・・”
と路頭に迷ってしまいそうです。
やはり、目的と手段は明確にしておいた方が良さそうです。
■専門性を向上させるには
さて、先輩セラピストさんの見解について、もう少し考えなくてはいけないポイントがあります。
それは『色んなセラピーに手を出さない方がいい』というコメントです。
この言葉の背景には“専門性が薄まるから”といった不安要素が見え隠れしているように思えます。
裏を返せば、“リフレクソロジーだけやった方が専門性が高まる”と捉えることができますが、
果たして本当にそうでしょうか。
私はドライヘッドスパの講座をする中で、
『常に頭以外の部位との繋がりを考えるように』と伝えています。
なぜなら、頭痛一つとってみてもその原因は様々で、肩こりや背中のハリ、柔軟性の低下がきっかけだったりするからです。
つまり、『ドライヘッドスパニスト=頭だけ勉強』では全然足らないのです。
もちろん前述したように、
ドライヘッドスパはあくまでも手段ですので、
『ドライヘッドスパ専門』を謳うにしても、やはり目的(お店のコンセプトなど)が必要となり、そこに関わる分野を広く学ぶことで専門性は充実します。
『やりたいことだけに注力する』と『専門性の向上』は必ずしもイコールではないことは覚えておいてください。
■セラピストの立ち位置
今回は生徒さんの質問から、『手段と目的』、『専門性』についてお話しました。
専門性については、どこまで頑張って勉強しても、やはり医療には敵いません。
勝ち負けではありませんが、もう既に優れた専門家がいらっしゃるということです。
そんな中での、我々セラピストの立ち位置、役割は何でしょうか。
答えはシンプルに『人の健康に寄り添うこと(予防すること)』です。
我々セラピストは治すことができませんし、診断もできません。
医療に比べれば、できないことの方が多いです。
しかし、医療より身近な存在なはずです。
ですから、幅広い知見が大切で、自分はお客様にとってどうありたいのか(目的)、
そのためにどういったセラピーを提案するのか(手段)を明確にすることが第一歩です。
同じような疑問を持たれている生徒さんも少なくないので、より多くの人に届くと嬉しいです。
森脇由宇
★ドライヘッドスパの講師をしながら、初心者セラピストさんに向けた動画も作成してます★
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