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【そして思い出し笑い〜こんな子、育てましたけど】 #21 26年ぶりに思い出した!

うちには、子どもが3人います。
経済的なことも考えて
全員、公立高校に行ってもらうつもりでいました。

だけど、
D高の説明会で
ブチ切れてしまった私は
私立高校へ行かせることを考え始めました。

その時、私のアタマの中には
ひとつの高校が浮かんでいました。

A高校。

私の中学の時の同級生U子が
ここに進学した時のことを
26年ぶりに思い出したのです。

U子は、スポーツ万能で
テニス部では副部長をつとめていました。

髪はいつもショートカットで
あちこちすばしっこく
走り回っているような子。

だけど、お勉強はイマイチ苦手で
ちょっと斜に構えるというか、

「どーせウチは勉強なんかでけへんし」

みたいな雰囲気を醸し出していました。

そんなU子に
高校に入学して3ヶ月ほどたったある日、
バスの中でバッタリ。

「いや〜U子やん〜、どうしてんの〜、
A高はどうなん?」という
女子同士の軽いトークのしょっぱなから

U子はハイテンションで
飛ばしてきました。

「高校って、めっちゃ楽しいなあ!!!
聞いて聞いて、ウチ彼氏できてん♪
ほんで、クラス委員もやってるからさあ、
いろいろ忙しいねん〜♪
アンタはどうなん?
高校、楽しんでる?」ときた!!!

えっと…U子、
キャラ変わってますけど?

そんなアゲアゲで
しゃべる子やったっけ?

中学校の頃の
「どーせウチなんか」感は
どこへ行ったん???

U子の変貌ぶりに
私は心底驚くとともに

U子をこれだけハイテンションにしたA高って
なんかしらんけど、スゴイ学校にちがいない…
と確信しました。

さらに、もうひとつ、
実は、末っ子が生まれる前に
地域のミニコミ紙の
編集補助のパートをしていたことがあって
そのミニコミ紙に、A高が
ちょくちょく広告を出してたんです。

なので、A高の教育方針というか、
ひとりひとりをしっかりと
見てくれそうな学校だということは
なんとなく、知っていました。

ひょっとしたら、うちの子も
A高に行ってしっかり見てもらえれば、
ぐっと成長するかもしれない。

あわよくば、U子みたいな
明るく元気なキャラに
生まれ変われるかもしれない…
などという幻想を抱いた私は、

学校見学にもろくに行かず、
受験勉強もせず、
のらりくらりとしていた長女を

「お母さんも一緒に行ったげるから」と
A高校の学校説明会に
無理矢理、連れ出しました。

無理矢理連れて行ったので
当然、機嫌は悪く

途中、駅の自販機でジュースを買わされたり
帰りには、機嫌をとるために
喫茶店に立ち寄ってパフェを奢ってみたり…

誰のための学校見学やねん!
あんたの受験でしょうが!!!


という言葉が、
もう喉元まで出てきているのを
ぐっと飲み込み、

喫茶店でコーヒーを啜りながら
「お母さん、A高は
ええ学校やと思ったけどなあ」などと
できるだけ穏やかに誘導し、

最後には、ついに

学校説明会なんて面倒くさいものに
二度と行きたくないと思っている長女の口から

「もう、ウチ、A高でええわ」

というひと言を引き出すことに
成功したのでありました。


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