ChatGPTがもたらすキャリアコンサルティングの新しい可能性
今回は4月17日(月)に開催された、リベコの代表理事・森田昇さんによる講座『ChatGPTがもたらすキャリアコンサルティングの新しい可能性』についてご紹介します。
ChatGPTの普及速度とFB(フェイスブック)やYouTube、インスタの普及速度の比較図が示されました。FBが100万人の利用者を獲得するのに310日かかったのに対して、ChatGPTはわずか5日間で達成しています。これだけ見ると、ChatGPTは凄まじい速さで普及しているように見えますが、FBが発表された当時と今とでは、ITの整備環境が異なります。当時は今ほどスマホが普及していませんでしたし、通信速度も遅かったのです。従って、単純比較はできませんが、ITの発達と相まって、ChatGPTはこれから益々世の中に普及して行くものと思われます。
実際に、ChatGPTはどの程度使われているのかを、新入社員120人に聞いたところ、使ったことがある人は20人でした。意外に少なく、AIはいまだ、アーリーアダプターの領域にあります。
AIが発達するとなくなる仕事があると言われます。ゴールドマン・サックスによると、あらゆるホワイトカラーがAIに代替されるとのこと。以前はブルーカラーが代替されると言われていましたが、最近では逆の見方がされているようです。コミュニティやソーシャルサービスはAIを補助的に使用し、法務は半分くらいがAIに代替されると予想されています。
AIに奪われない仕事としては、人間の肉体を使うスポーツや人の個性が現れているものが挙げられます。しかし、AIが作った美空ひばりが話題になったように、将来何が残って何がなくなるかは難しいところです。
スマホはかなり普及してはいますが、100%ではありません。従って、公立学校から生徒の家庭への連絡を全てスマホで行うことはできず、紙との併用になるでしょう。私立ならスマホのみの連絡はしやすく、こういったことから情報格差が広がると思われます。
AIには賛否両論があります。否定派は、「子供が考える力をなくす」と言いますが、この議論は「子供にスマホをいつから持たせるか」に似ています。大人はスマホの子供に対する影響を心配しますが、若い世代の方がデジタル系に早くなじむということは否定でき ません。
1996~2000年にかけて、検索エンジンが登場した時も、こんなものを使えば自分で調べなくなるという意見が出ました。しかし、自分が得たい情報を得ようとすれば、検索の仕方にも工夫が必要です。ChatGPTの使い方も同じではないでしょうか?
肯定派は、目標達成意欲が高く、業務遂行能力が高い人は、ChatGPTにコーチングしてもらえば上司はいらないと言います。しかし、このような人は、元々コーチやキャリコンを必要としていないものと思われます。
森田さんは、ChatGPTをキャリアコンサルタントに見立てて、クライアントとして相談してみました。それなりに、キャリアコンサルタントのような会話をするようです。キャリアコンサルタントの論述試験にも解答してくれました。但し、適切な解答を得るには、やはり工夫が必要なようです。
これからの子供達は、どんどんAIネイティブに近づき、ほぼ毎日ChatGPTを使うという日がやって来るでしょう。そんな時代には、キャリアコンサルタントの仕事は、なくなりはしないにしても今よりは減ると思われます。どんなキャリアコンサルタントが残るのか、キャリコン一人ひとりの工夫のしどころです。
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「リベラルコンサルティング協議会」
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(仲井圭二)
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