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6.2.個人へのセールスに必要なもの

私はどんな人のどんなお困りごとも解決するコンサルタントです。

このふわっとしたフレーズ、コーチングを生業としている方にとても多いのですが、キャリコンも結構多いのです、やれやれ。

そんなスーパー(not ドナルド・E・スーパー)な人間はいない、とは言い切れませんが、そこまで人の心を心理学的にも脳科学的にも量子力学的にも見極めることができたらミリオネア(億万長者)を飛び越えてビリオネア(兆万長者)になるでしょうから、そこを目指すのは止めましょう。

そんなコンセプトでは怪しすぎて契約してもらえるわけがありません。経験積むために無料でやります!だとしたら、さらに怪しさ満点。どこの新興宗教かよ、みたいな。

やはりですね、理想の顧客にどうやったら会えるのかを考えますと、コンセプトに合致した人を探すのが近道です。コンセプトなくして出会いなし、出会いがなければセールスの機会もない、セールスできなきゃ契約取れない。

ということで、私たちの商品を買う買わないを判断する個人の顧客には、どうやって会えるのか、そして商品を買って頂けるのか、考えてみましょう。

基本は企業領域と同じ

はい、セミナーやりましょう。以上。

・・・え?これでは分からない?ではもう少しかみ砕いて。

とにかく顧客獲得型セミナーやりましょう。以上。

・・・え?同じ意味じゃないの?仕方ないですね、ではもう少し具体的に。

情報発信→セミナー→個別面談→契約、という流れでいきましょう。以上。

・・・え?それってまるで企業領域キャリコンとして企業から契約を取る流れと同じじゃん!と思われた方、正解です。

基本的には対企業と同じでして、セミナーの代わりにランチ会やお茶会、飲み会、趣味の会、勉強会というのもアリ、なのも同じです。なぜならば、それが集客の漏斗というものだからです。

セールスファネル、という言葉を聞いたことがある方もいると思います、その日本語訳ですね。漏斗とは口の狭い容器に液体を注ぎ込む用具で、らっぱのような形をしています。細い先を瓶などの口に差し込み、上から液体を流し入れるときに使うアレです、入り口が広くて出口が狭いヤツ。

最初は見込客を見つけるために数多くの人たちにアプローチしていき、最終的には少人数が商品を買ってくれるという、漏斗の形になっているのです。

漏斗

ガンダムで言うとファンネルですね。いけ、ファンネル!と叫びながら覚えましょう。ほら、キュベレイのファンネルっぽい形をしていますよね?決してフィン・ファンネルではない、と。

情報発信はさらに細かいファンネル、もとい漏斗に分かれるのですが、それは後述するとして。この上から下まで流れるように導線を設計することが基本なんですね。

そして、どれくらい集客できたら契約が取れるのか、下から逆算して設計します。例えば契約を取るのに何人と個別面談すればいいのか、個別面談まで進んでもらうためには何人セミナーに集めなければならないのか、セミナーに人を集めるためにはどれくらい声掛けといった情報発信をするべきなのか、という逆算で考えていくのです。

例えば、月20万円の契約を2人から取りたいと考えましょうか。それだけで月40万円の収入だからなかなかイケてますよね。そう考えると、個別面談は6人くらいとすれば3人に1人は買ってくれそうですかね?

では6人個別面談に進ませるには、18人くらいにセミナー受けて貰わないといけないかな?18人を一度に集客するのはちょっとかなりしんどいから、6人集客するセミナーを月に3回開催するとして、どれくらい情報発信して声掛けすればいけるかな・・・というように数字で考えられるのですね。

このように逆算することで、自分の理想とする収入に至るまでにすべきことがハッキリします。この漏斗の流れは企業領域だろうが対個人だろうが同じなのですが、実はこの漏斗、個人相手だと企業を相手にするよりも綿密に設計する必要があるのです。

集客はできる、しかし契約は取れない

個人を集客するのは、企業の社長たちを集客するよりも簡単です。

そりゃそうですよね。自分のやっていること、考えていること、目指していることをアピールするセミナーへの招待だと考えれば、誰でも誘えるわけですし。なんでしたら家族でも恋人でも兄弟でも友達でも会社の同僚でもご近所でも知り合いでもいいわけで。近すぎる関係だと誘うの恥ずかしいけど。

それかSNSで発信して集客してもいいです。FacebookでもTwitterでもInstagramでも、mixi(笑)でもいいです。こんなセミナーやりますから来てください!と発信すれば、それも無料です!とお誘いすれば、少なくとも友達登録している人やフォローしてくれている人、グループに参加している人、足あと付けた人(笑)の何人かは興味を持って来てくれるでしょう。

それもオンラインなら手軽なので数人はすぐに集められるようになると思います、コンセプトに合う人だけを集めようとしない限りは。無差別勧誘する度胸と根性があれば、知恵と勇気があれば、集客できずに困ることはないのが対個人です。

日本の企業数は個人事業主含めて約400万社。うち個人事業主が約240万社なので、差し引きして純粋に社長の肩書を持っている人は約170万人。日本国民は約1億2,600万人弱ですから、圧倒的に社長以外が多いのは自明の理ですね。

ここまで大雑把すぎる計算式でなくても、ご自身の周りにいる方々を見てみれば、社長って肩書を持っている方は少ないですよね?それだけ個人を集客するのは難易度がまだ低いのです。そう、情報発信→セミナーへの集客、という面だけは。

あ、次まではいけるか。その先の個別面談までは行きやすいです。ただここでの個別面談では、お試しキャリアコンサルティングとか、体験セッションとか、悩み相談を承りますとか、何かしらの無料サービスをセミナー中に提案すると、より個別面談まで進んでくれます。

企業の社長相手よりもここまではそんなり進めること間違いなしですが、こと契約まではなかなか進めません。その理由はすでに述べていますが、もう一度。

個人が提供価値の対価として支払える金額がどうしても企業領域と比較すると低くなる、という稼ぎの面です。社長は売上向上と経費削減に資するものであれば飛びついてくれますし、高額商品も買える財力があります。

しかし、個人の方がそこまでコンサルに支払おうと思うでしょうか?

それも先ほどの試算だと月20万円計算しましたが、仮に6ヶ月契約だとすると120万円。中古車なら結構いい車が買える金額です。3ヶ月契約でも60万円、テレビ洗濯機冷蔵庫の3種の神器を買い換えられます。

これだけの金額を払ってもいいと思える価値を、コンサルとしてあなたは個人の顧客に提供できますでしょうか?

コンセプトからの夢を描けば?

と、対個人では高額商品は売れないようなことを書いていますが、そんなことはありません。契約まで持っていく難易度が高いだけです。これが企業の社長だとセミナーに集めるまでが大変ですから、どっちもどっちですね。

対個人でも高額商品は売れます。

売れますが、そのためにはコンセプトを徹底的に磨く必要があります。ペルソナの設定を突き詰めることが何よりも大事なのです。

「この人、私だけをターゲットにしている」、「私は、この人を待っていたんだ」くらいの絞りに絞ったコンセプトとペルソナが。

企業領域も同様ですが、それ以上にです。170万分の1よりも、1億2,600万分の1のピンポイントに標準を合わせるくらいに。大げさかもしれませんが、最初は実在する一人の人間を設定することで、それくらい絞った方がいいです。

そして、その人の悩みや苦しみを解決できるとアピールして、さらに相手がイメージできないほどのワクワクするゴールや理想の状態まで見せられると、契約できるでしょう。

相手が簡単にイメージできてしまう目標設定では、欲しい気持ちにはなりません。企業相手の売上向上や経費削減に結び付けばいい、のとは違って、個人相手だと訴えるべきは「理想の状態、理想の自分」に連れていくことです。

欲しい結果が自分で見えているものでは、自分で手に入れられると思われます。商品の単価が高くなればなるほど、その人の考えつかないような、あり得ないようなところまで連れていくインパクトが必要となるのです。

先ほどの漏斗の話ですが、漏斗の一番上はコンセプト、次が商品でしたね。ですので、ここがまずしっかり相手に突き刺さるものでない限り、その後のセールスの流れ、情報発信→セミナー→個別面談→契約がうまく流れていかないのは自明の理なのです。と、対個人でもイケるようなことを書いていますが、余りオススメしません。

やっぱりですね、それだけコンセプトや商品が突き刺さって貫通するくらい♡を射止めてもなお、相手の「お金がない」ストーリーが展開されていくからです。サラリーマンや主婦、学生やシニアにとっては大金ですからね、高額商品という名の自己投資は。

もしも個人向けでキャリアコンサルティングやそれに近いコンサルティングを商品とするならば、よほど魅力的なオファーとなるコンセプトと商品でないと高額では売れません。もちろん価格を下げれば売れるでしょうけど、それこそ1時間5,000円の世界まで落とさないと、なかなかツライと思います。

でも、それでは私たちが食えない。どうしようこの矛盾。

誰に売るか、誰から買うかの時代

そこで私が提案するのが、キャリコンを前提としたスモールビジネスであるCtoB:個人対企業とCtoC:個人対個人の間、CtoスモールBです。

スモールBとは、個人事業主もしくは従業員5名以下の小規模事業者をターゲットにすることです。理由は3つ。1.事業を大きくしようと常日頃考えている。2.自己投資する覚悟や資金がある。3.自己投資の結果が業績に反映しやすく結果が分かりやすい。

企業領域では中小企業と書きましたが、個人では1人でビジネスを展開している人か、仲間内でビジネス構築している小さな会社=ほぼ個人を私たちはターゲットとするべきでしょう。

彼ら彼女らの悩みとして、なかなか事業が軌道に乗らない、育たないがあります。そこでビジネスを発展させるコンサルティングや情報提供、メソッドの提供といった価値を届けることができれば、種類は何でもいいですから、必要とされる価値を提供できれば売れます。

独立を果たして個人で戦っている方々は、私もですが自己投資に躊躇がありません。商流で言えば、それが私たちにとって仕入れとなるからですね。情報商材、セミナー、研修、コンサルティング。これらすべてが仕入れであり、Inputして咀嚼、自分なりの解釈を加えてOutputして実践することで、売上が伸びたり仲間が増えたり、ビジネスが面白くなったり、いろいろな効果を得られるから、なのです。

情報が溢れている現代では、どんな商品でも、コンサルさえもググれば見つかりますので、何を買うかで悩む人はいなくなりました。ただ、ググるだけではその人が信用できるかは分かりませんので、誰から買うか、が重要になっています。

例えば、何度も例に出して申し訳ないですが、コーチングは一昔前まで大変珍しく、「アメリカでは経営者のほとんどがコーチを付けていて、あの大統領や大富豪も雇っていた」と言えば、ちょっと体験セッション受けてみよう、そして売れる経営者になるためにはコーチくらい付けておかないとな、と1時間5万円のエクゼクティブコーチが流行った時代がありました。

しかし、今や民間資格コーチは国家資格キャリアコンサルタントよりも増え、交流会に行けば必ず一人や二人と出会え体験セッションを売り込まれます。売り込まれたら・・・ここまで読んでいれば結論は分かりますよね?買いません。だから売れないコーチが増えてしまった。

コーチングは有効だと分かっていても、誰からセッションを受けるか、誰が結果を出せる本物なのか、という情報が重要になります。

私たちキャリコンも同じです。キャリコンだから買ってくれる時代はセルフキャリアドック助成金の終わりと共に終焉を迎えました。今は私たち自身が誰に売るかを設計し、そしてクライアントが誰から買いたいのか把握したうえで、選ばれるコンセプトで自らのブランディングをしていく必要がある。それはとてもやりがいがあり、また楽しいものなのです。

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