イメージと観察の違い

最近娘たちが絵を描いている。もうすぐ9歳になる上と6歳になったばかりの下の姉妹で、よく一緒に歌ったり踊ったり何かを作ったりしてるけれど、ちょうど今は絵のプチブームらしい。女の子やらうさぎやら恐竜やら色々なものを書いている。

姉がいないときに、下の娘が私の一緒に絵を描こうと言ってきた。娘自身が絵を描いているときに、私は一緒にいるだけではダメで、同じテーマで絵を描かなればいけないらしい。テーマは私が決めていいと言われたので、「鳥」にした。単純に私は鳥が好きだからだ。

おもむろに子供が絵を描き始める。何かを見るわけでない。今まで見た鳥の絵や実物の記憶を辿って、何をイメージしながら描いているようだ。こんな感じの絵を描いていた。


次女作 イメージした鳥


子供らしい、味のある絵だと思った。

先に描き終えた子供が私の描いている途中の絵を見始めた。私は、スマホで「鳥」と画像検索して、最初の方に出てきた鳥を見ながら描いている。私の絵と絵の描き方を観察し始めた子供が、自分もその画像を見ながら絵を描きたいと言ってきた。
もちろんOKなので、今度は一緒に同じ鳥の画像を見ながら絵を描き始める。
そうしてできたのがこれ。

次女作 観察した鳥

どちらも私は好きな絵だけれど、違いは大きい。前者は彼女が鳥を「イメージ」した絵で、後者は鳥を「観察」した絵だ。もちろん後者の方が現実の鳥に近い。

この2つを見ながら、これは幼児の絵だから生じてることではないと考えた。周囲の人を見るとき、過去のイメージの総体として捉えてその人を観察しきれていない。予想外の行動を取られてしまう時はたいてい、自分の見たいイメージでしか見ておらず、観察をサボってしまっていることが多い。どちらの認知があってもいいけど、混同するのはまずい。混同していることに気づかないのはもっとまずい。そう思っても、よく混同し、誤ってしまう。

娘は観察したほうが絵が気に入ったのか、明日も画像見ながら絵を描く!と宣言していた。朧気ながらでも、イメージと観察の違いに気づいてくれるといい。次、更に鳥をよくみて絵を描くことで、その気付きは深まるのだろうか。

ちなみに私が懸命に観察して描いたのがこれ。まだまだ観察しきれていない。


翌日、子供の要望通り、鳥を画像検索した。手元にiPadがあったので検索の仕方も見せて自由にやらせてみた。

ちょっと別の場所いてから戻ってみると、youtubeでインコを繰り返し見ていて、かわいい~と言っている。楽しそうだ。


絵は全く描かれていない。まあ、それはそれでいいのだけれど。

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