明日の未来につながる紙
こんにちは 広報担当のオカです。
今日2月9日は「服の日」だそうです。
創業以来115年ほど、服のパーツを扱っているモリトとしては、親しみを感じるネーミングです。
モリトは数多くのアパレル企業、縫製工場さんと関わりがありますが、多くの会社さんで服を作る時にある問題を抱えています。
それが、裁断ゴミ。
洋服を作るときは、型紙に合った形に生地を裁断していきます。もちろんできる限り無駄にならないよう工夫して裁断を行いますが、それでも使用した生地の約3割は裁断ゴミとなってしまうと言われています。
しかも、天然繊維であるコットンやウール、化学繊維のポリエステルやナイロンなど、複数の種類の生地が裁断ゴミとして混ざってしまうと、リサイクルをしようにも膨大な仕分け作業が必要になってしまいます。
そのため、結局、埋め立てや焼却処分を行うことが多く、環境へ負荷がかかってしまうのです。
有名アパレルブランドにも使われる、新しい紙
お客様から「服を生産するときに大量に出てしまう裁断ゴミの処理に苦労している。」と聞き、モリトグループのマテックス社が立ち上がりました。
そして新たに生まれた商品がこちら!
混抄紙の「ASUKAMI®」です。
混抄紙という言葉はあまり聞きなじみがないかもしれませんが、紙の一般的な原料であるパルプに他の素材を混ぜ合わせた紙のこ
とです。
そんな思いで、「ASUKAMI®(アスカミ)」という名前が付けられました。
真っ白ではなく、グレーがかった模様がうすく入っていて、ナチュラルでおしゃれな風合いです。
日本初かも?な特徴
サステナブルという言葉が広まってきた近年、環境配慮型の製品というのをあちこちで見かけます。
混抄紙について調べてみると、こんな素材も混ぜて作ることができるそうで、たくさんの種類があります。
お茶の葉
コーヒー豆やぶどうの皮など、食品の皮や搾りカス
イチョウの葉・植物の茎など
もちろん、ここに挙げた素材をASUKAMI®に使うこともできますが、ASUKAMI®には他の混抄紙とは違う大きな特徴があります。
それは、パルプに混ぜる素材として化学繊維を使うことができるということです。
一般的な混抄紙に活用される素材は、食品や植物などの天然繊維が多く、化学繊維を活用し、実用化したということが、実は、日本初の特徴とも言われているそうです。
リサイクルをカンタンに
天然繊維だけでなく、化学繊維もあわせて活用できるASUKAMI®の特徴を生かして、マテックス社はこんな使い方を提案しています。
裁断ゴミを仕分けなしで、まとめて資源として回収▶▶▶ASUKAMI®を作り、新たに下げ札や紙袋などに生まれ変わらせる▶▶▶使ったらまた回収して再利用する
自社工場で出た裁断ゴミを活用して、店頭で使う下げ札・紙袋へ生まれ変わらせる、そんな取り組みをお手伝いしています。
実は、昨年から、数多くのアパレルブランドを運営するワールドさんに採用され、店頭の商品についている下げ札や展示会POP、ワールドさんの社内で使う名刺などにASUKAMI®が使われています。
ASUKAMI®×学校
様々な企業との取り組みだけでなく、ASUKAMI®を使って学生さんとの取り組みも始めています。
昨年は、神戸女子大学の学生さんと共に、ASUKAMI®を使ったイベントを神戸市須磨水族館にて行いました。
イベントの詳しい内容は ▶ コチラ
今、私たちはこのようなテーマをはじめ、学生たちの自由な発想でASUKAMI®を使ってもらい、クラブ活動みたいな取り組みにしようと、準備を進めています。
明日の未来につながる、ASUKAMI®の取り組み。
今後の展開にご期待ください!