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散文の部屋

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2023年7月の記事一覧

鏡の中の吟遊詩人

鏡の中の吟遊詩人

突然の雨に成す術もなく、街路樹に身を寄せた。

潜り込んだ木の下はとても静かだった。もしかしたら、音までをも遮断しているのじゃないかしら?

見上げると、大きく張った逞しい枝に満点の星を思わせる程の葉が繁り、その一枚一枚は、水の感触を味わっているように見えた。

聖堂の様な木陰から、雨粒の音を歌う野鳥の声がする。

歌声に釣られ見上げた先では雀の一群がとても美しい声で、長く旋律を奏でていた。繁殖期

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