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『もう見たくないんだ。』

端っこで落ちそうになっていたら、出来るだけ真ん中に置く、とか。
縦が不安定だったら横にする、とか。
それでも不安だったら柔らかいやつで包んでみる、とか。
なんならずっと手に持っているか、リュックの中にふわふわのものと一緒に入れておく、とか。




端っこで落ちそうになっているのに、なぜ、あの人は何もしないでもいられるのだろうか。


絶対に落ちないと思っているのだろうか。
落ちて壊れても、掃除をしたらいいんだろうか。
新しいのを買えば良いんだろうか。
その話を後日に失敗談として語れば良いんだろうか。

それとも、まだ、落ちるところを見たことがないのだろうか。
1つ目が落ちたとき、何を思うだろうか。
何も思わないのかもしれない。
2つ目、3つ目。
何回目に気づくだろうか。
たぶん、落ちないようにも出来るよ。
たまに落ちちゃうかもしれないけど、いっしょに守ろうよ。
壊れやすいことに嫌気がさしちゃうかもしれないけど、儚いものこそ美しくてね、大切にした方が自分も美しくなるよ、きっと。

あの人はきっとまだ、落ちたところを見たことがないんだね。
でも私はもう、見たくないから直しちゃうね。

いえいえ、こちらこそ。
いつもありがとう。

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