シンガーソングライターが即興で書く詩。
時々これは詩なのか?と思いますが、詩です。
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#夏の思い出
2021/08/31 即興詩「Dead or Alive」
生きることは
同じだけ死んだということ
32歳の僕は
32年間生きて
32年間死んだのだ
僕が知覚できる「生」と「死」は
せいぜい、そのくらいなのだ
———
夏が終わります。
2021年度も、残り半分。
僕の年齢だと、残り時間を惜しむには多分早すぎる。
精一杯生きたら、精一杯死ねるのだから。
2021/08/30 即興詩「頭の中のシアターは每日上映している」
ごろんと転がったベッドの上で
なんとなく
天井を見つめていた
幾度となく見た天井なのに
今日は少し
違って見える
たぶんだけど
いつもは天井を見ているようで
見ていなかった
天井に視線をやりながら
頭の中のシアターで
別のものを見ていた
今日は違った
頭の中のシアターは休館日らしい
ぼんやりと しかしはっきりと
天井を見つめながら
どうやってつけたかわからない
不思議な模様を
ひたすら 目で
2021/08/29 即興詩「一人の食卓」
窓の分だけ
光がくり抜かれ
私の頭を照らしている
食卓に写った影が
今 ここにいる人数を
何の感情もなく示している
外から聞こえる夏の虫の声
仕切りに走る車の音
冷蔵庫のジー、という音と
時々耳につく私の呼吸
呼吸を意識すると
なんとなく深呼吸をしたくなって
深呼吸をすると
なんだか少し 恥ずかしくなった
たった一日
誰かがいないということを噛み締めて
もしこれが
このまま一生続くと思うと
2021/07/17 即興詩「夏の思い出」
夏が来れば思い出す
その噂は本当らしい
かつて過ごしたあの頃を
この歳になって
懐かしく思うなんて
夏が来れば思い出す
それは私とあなたで違うこと
誰しもがもっている
オリジナルのアルバムは
やはりその人の手で
大切に綴られるべきだろう
夏が来れば思い出す
祖父祖母の住む家
ラジオ体操
スイカ
朝のアニメ番組
抽象化すれば
案外私も月並みの人生を辿っている
夏が来れば思い出す
案外
辛い思い