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坐禅体験から学ぶビジネスの智慧:静寂が導く自己と顧客の深い理解

常に変化し、絶え間ない情報の流れに晒される
現代のビジネス環境。

その中で、私は以前からぼんやりと
坐禅に興味を持っていました。

単に、マインドフルネスや瞑想といった、
ビジネスマンが嗜むべき教養といった
軽い気持ちも確かにありました。

しかし、それ以上に、何か坐禅に対して
自身の価値観に共鳴するものがある。
(しかし、それが何だかわからない)

今回は、そんな坐禅体験を通じて感じた
気づきをまとめます。


二つの寺院での坐禅体験:異なる教えと共通点

最初に訪れたのは東京禅センター。

開始の13時30分がくると、大きなお堂の中に、
およそ20人くらいの老若男女が一同に会しました。

座禅の歴史や考え方、座り方や姿勢など、
基本的なことを指導いただいて早速10分間の瞑想。

・・・

その後、15分、20分と、
瞑想時間を少しずつ伸ばしていきます。

・・・

ここで学んだことを一言でまとめると、
禅の本質は「日々是好日」という教えでした。

日常のあらゆる瞬間に意味があり、
それぞれが尊いという考え方は、
忙しなく過ぎていく日々を見直すきっかけとなりました。

坐禅体験をした龍雲寺の立派な門
境内には「一期一会」の文字も

2回目の体験は千駄木の龍安寺。

千駄木の坂道を少し登ったところにあります。

こちらでも、禅の歴史や座り方を簡単に指導いただいた後、
こちらでは、呼吸法について指導がありました。

数呼吸よりも、吐く呼吸に注意を向ける。
(空っぽになれば勝手に空気が入ってくる)

坐禅の最中も、一つ一つ呼吸を数えていく、
数息観(すうそくかん)というそうです。

このように、龍安寺では、
禅の本質が呼吸にあるという教えを受けました。

生命活動の根源である呼吸に意識を向けることで、
外界と内面の境界が曖昧になる
「空」の状態を体験しました。

天龍院は小さいながらも歴史のあるお寺

両方の体験で印象的だったのは
「警策(けいさく)」と呼ばれる棒で叩かれる瞬間です。

当初は罰として与えられるものだと誤解していましたが、
実際には、修行者自身が合掌により求めた際に、
助警(お坊さん)から頂くものだと知りました。

ありがたい縁起物という要素もあったり、
あるいは、自ら困難を求め、
それを乗り越えることで成長するという姿勢にもみられ、
ビジネスにおいても重要な教訓になると感じました。

坐禅体験がもたらす気づき

2度の体験を終えた正直なところ、
坐禅体験をすることで、劇的なストレス軽減や
精神的な安らぎを得るには至りませんでした。

しかし、この体験を通じて得られた気づきは、
想像よりも、深いものでした。

それは、冒頭書いた
ぼんやりと気になっている自分自身の価値観
の具体化です。

何千年もの間脈々と受け継がれてきたこの教えに、
時代を超える普遍的な価値があると考えます。

長い時を経てもなお
残り続けるものには必ず深い理由がある。

その理由を探ることに、自分自身強い興味関心を
持っているということが再認識できたことは
大きな収穫でした。

これは、坐禅だけでなく、囲碁や金継ぎ、
あるいは、縄文杉や民藝など、私の興味のあるものの
共通点でした。

ビジネスへの応用:静寂が導く深い理解

坐禅体験から得た最大の洞察は、
「何もしない時間」の重要性です。

この時間は、自分自身と向き合い
過去と未来の時間軸の中で
現在の状態を観察し分析する機会を提供します。

ビジネスの文脈で考えると、
これは顧客やクライアントと向き合うことに通じます。

クライアントにも歴史があり、過去と未来があります。

その中で現在の状態を観察し、分析すること。

言い換えれば、クライアント自身の
本質的な目的を言語化しその実現に向けた
筋道を立てることがこれに当たるでしょう。

静寂の中で自己と向き合うように、
クライアントの本質と向き合う。

そこから生まれる理解は、
表面的なニーズ分析とは全く異なる深さ
持つのではないでしょうか。

まとめ:禅とビジネスの調和

禅の教えは、
オンとオフ、0と1といった二元論的な考え方を
超越することを示唆しています。

私自身、常に禅の状態であり続けたいと
考えるようになりました。

これは、ビジネスと私生活を明確に分けるのではなく、
常にマインドフルな状態で両者を調和させることを意味します。

先生は講和の中で、
「日々の忙しい中でも、
 少しの時間だけでも坐禅をするなど
 落ち着かせる時間をとるように」
と勧められていました。

しかし、私の考えは少し違います。

オンとオフを分けるのではなく、
常に禅の状態であり続けたい。

それが、ビジネスにおいても深い洞察と
創造性をもたらすのではないでしょうか。

坐禅、囲碁、金継ぎ、縄文杉など、
時間の経過を超えて残り続けているものには、
必ず深い理由があります。

これらの本質を探求し、
現代のビジネスに溶け込ませ活かすことで、
より深い洞察と創造性を得られるのではないでしょうか。

今回の体験は、
ビジネスパーソンとしての自分を見つめ直す
貴重な機会となりました。

今後も継続的に実践し、
その効果をビジネスの場で活かしていきたいと考えています。

静寂の中に潜む智慧が、
ビジネスの世界にどのような変革をもたらすのか。
その探求は、まだ始まったばかりです。

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