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【1分で読める小説】まどろみの中の猫

お題:目が覚めると
お題提供元:スマホアプリ「書く習慣」
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 目が覚めると、見知らぬ猫が腹の上に乗っていた。

「にゃー」

 にゃーじゃないよ。
 誰だお前は。

 白地に黒のハチワレ。毛並みが良い。飼い猫だろうか。
 猫ってあったかい。というか暑い。どいてほしい。

 手でつかんで下そうとするが、びくともしない。もちもちの皮だけ伸びる。

 おっと、首輪がある。緑色の首輪。探ってみると札がついている。だが、この角度からじゃ読めない。

「どこの子だよお」
「にゃー」

 この声はハチワレじゃない。足元にいる三毛猫だ。
 枕元からは白猫がおれの顔を覗きこみ、早くご飯をよこせと言わんばかり。

 みんな、おれの猫じゃない。

 どこかからやってきて、ご飯だけ食べて、気づいたらどこかへ行ってしまう。
 今朝来たハチワレも、きっとそう。

「にゃー」
「分かったってば。分かったからどいて」