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探究堂 訪問

京都市の出町柳にある探究堂を訪問しました。
「つくることで学ぶ」「あそぶことで学ぶ」オモシロガリヤが育つ学び場をテーマに、子どもたちの知的好奇心を育む教育プログラムを実践されています。

幼児から小学生が対象で「ぷれりか」「たくらみ」「まいぷろ」「またたび」の4クラスがあります。

私が訪問した日はまいぷろクラスで、小学校高学年がそれぞれ個人の自由研究のプロジェクトの計画を立てたり、進めたりしていました。やろうとすることが明確な子は、1人でがしがしとプロジェクトを進めていましたが、自分が何をしていきたいのか、まだはっきりしていない子もいて、大人スタッフと相談しながら計画を立てていました。
探究堂の山田洋文(以下、文さん)さんは「それぞれのペースでいい。今、何を研究するか分からない子もいるけど、ゆっくり見つけていったらいい。今、1人で研究を進めている子も、テーマを見つけるのに半年かかった。他の友達の研究を一緒にやっていて、そのうちに自分で研究したいことが見つかった。」とおっしゃられていました。「アウトプットすることに重きを置きすぎないことも大事だ」ともおっしゃられていました。短期で決まった期間にアウトプットをしようとすると、どうしても、それありきの探究学習になりがちです。それは、その子にとっての本物の学びかというと、そうではないでしょう。アウトプット以上にプロセスが大切。その学びのプロセス
も丁寧に記録に残されるそうです。
この点を重視しているのは、文さん自身の経験からもきていたようです。社会起業塾に参加していた時に、何をするのか決められなかった体験をされたことを話してくださりました。「周りから、急かされて決めたプロジェクトは自分のものにはならない。同期で、整ったプレゼンをした人もいたけど、結局、プレゼンありきで、実際にそのプランは実行されなかったり、実行されても長くは続かなかったりした。期間中にプランを作ってプレゼンをしたけど、本当に、その人自身の事業になっていたのか。」と言葉にされたことが印象に残りました。

個人の自由研究に学校的なテーマはほとんどありません。遊びや生活体験の延長からくるテーマがほとんどです。基本的には子どもの発想で自分でテーマを決めていきます。探究のエネルギーやダイナミズムという視点では、やはり学校的なテーマや、今、流行りのアントレプレナーは課題を感じます。ここはこれまで自分が学校で実践してきたことを省みる必要性を感じました。

昨年度、出町柳近くの鴨川に入って、1年間、ひたすら子どもと一緒に生き物調査をしていたエピソードを話してくださいました。最初は、川に入らずみていたのですが、一緒に川に入って活動することで、子どものことや研究対象の川のことが分かるようになり、文さん自身もその研究を楽しまれたそうです。

最後に語られたのは「ジェネレーターになることが大切なんだ。」ということでした。
ティーチャーでもファシリテーターでもなくジェネレーター。
その場の中で一番、何かを面白がり、その探究のエネルギーが自然にまわりに伝播させていく存在。

文さんはTCS(東京コミュニティースクール)で経験をつまれ探究の核の部分を、探究堂で子どもたちに伝えられています。

「あなたはジェネレーターになるのが向いていると思う。絵を描いて、その中で、一番、それを楽しむ存在。それが周りに伝わるから。」と、あたたかいメッセージをいただきました。

文責:森田千尋


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