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ストーリーズ  Brother Louie

ストーリーズ「ブラザールイ」。ハスキーなヴォーカルがカッコいいストーリーズの73年のNo1ヒットで、私の大好きな曲です。

歌詞は白人の男の子のルイが、黒人の女の子を好きになり家に連れて行くも…パパとママに反対されるという、なかなかショッキングな内容です。

最近入手した!

オリジナルは、白人黒人の人種混合バンド、ホットチョコレート。こちらもヒットしました。サビの部分でリフレインされる「ルイ ルイ ルイ ルアーイ」で私は、野球の「一塁二塁三塁」と想像してしまうのは、少年時代、野球漬けだったからでしょうか。

先日ある記事を読んでいたら、懐かしい草野球ワードを見て爆笑してしまいました。
それは「透明ランナー」!!なつかしーい!

私が子供の頃は、男の子は皆野球でした。近所で4.、5人集まると草野球が始まるのですが、ランナーに出てた子がバッターの順番になると「じゃあ、おれのランナーは透明ランナーね」と言って、塁を離れて打者になります。子供の遊びなので、だんだんと野球遊びもダレてきてケンカになったりします。今のはアウトだ、いやセーフだの。タッチした、いやしてないだの。「じゃあ、あっちの透明ランナーにタッチしたからアウトだもん」とか笑。透明ランナーをアウトにするって、どんだけ空想野球なんだろう!?

私は団地っ子だったので、毎日、団地の棟の壁にボールあてをしてました。(家の中でもしてました) その音を聞きつけて同じ棟の男の子達が徐々に外に出てきます。バッターは棟に向かって打つので、棟の3階以上にあたると三塁打とか、屋上に飛んでいくと場外ホームランとか。人の家の窓ガラスにも何度もポールをあてたと思うのですが、怒られた記憶があまり無くて…。棟の壁には壁当てした無数の球跡も付いていますし…大人たちは、おおらかな、時代でしたね。

他の棟にもあちこち行って野球をします。団地の芝エリアは子供天国でどこでも野球場でした。ベースは一塁は電柱、二塁はダンボールを置いて、三塁は松の木ね。とか在るものをうまく塁にします。自分で実況中継しながらTVのプロ野球選手になりきって楽しく空想野球をしたものです。

私の住んだ団地 子供天国

一方で、団地の少年野球チームにも入り、六年生の時はキャプテンでした。六年生最後の試合は、なりきり空想野球とは違って、リアルで残酷な終わり方でした。

現在よりも当時のチーム数はずっと少ないと思いますが、私がいた団地のチームは、県で優勝を重ねる強豪でした。
6年生最後の試合の決勝戦。最終回に0対1で負けていて、先頭打者の私は出塁。初球にヒットエンドランのサインが出て、気持ちがはやった瞬間、牽制球がきてタッチアウトになり、そのまま負けて私の少年野球は終わりました。

最終回、先頭打者で執念で出塁し、負けて終わりたくないと思っていた瞬間、牽制球が飛んできて…。私は塁審に「セーフ」だと無我夢中で抗議していました。
ベンチには最後の試合に駆けつけた父母達の「あー」と残念がる声。そのベンチに引き上げていくキャプテンは惨めでした。その一瞬、監督の顔を見た時、監督は笑顔で小さくガッツポーズを私に向けました。その時はその意味が分からず、試合を終えて泣きながら帰りました。

私は、監督のことを尊敬していたし大好きでした。優しくてカッコよくて、なによりも私をすごく認めてくれていましたから。監督を喜ばせたくてキャプテンをしていたと言ってもいいくらいです。

右端白ユニ、サングラスが今は亡き監督

その日の晩、団地の集会所でお別れ会になり、監督から渡された私の色紙には、こう書かれていました。
「キャプテンお疲れ様でした。真郎がチームを引っ張ったから、みんなが真郎を支えたからこのチームの伝統は守られた。今春スタート時、あんなに静かだったおまえが今日の試合でファイト満々の男に変わっていた。そのファイトをずっと忘れずに」

目先の優劣に捉われずその子の成長に目がいく監督。塁審に抗議する姿に私の成長を見て、勝ち負けではない大切な事を伝えた監督。

勝ちたい気持ちがみなぎっていたのなら、塁審に、大人に、感情をぶつけてもいいんだ。
執念で出塁して初球のサインにリードが大きくなっていたのなら、チャレンジしたからいいんだ。監督はそう言いたいのです。

最後の試合に負けていて必死だった。遊びではまったくなかった。アウトは受け入れられなかったし、二塁にも、三塁にも進みたかった。

人生は一進一退ですね。人生を塁に例えるならば、次の塁に進みたいのに、うまくいかない事が多いですね。でも打順がまた巡ってくるように、人生は巡っているし、次の塁をいつも目指そう。凹まずに、時には抗議したいくらいに頑張り続けよう。

監督が教えてくれました。
そのファイトをずっと忘れずに。

思い出の団地 素敵な小径


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