「ニッポンのカラクリ!」を読んで

竹中平蔵さんとたかまつななさんの対談を本にした「ニッポンのカラクリ! なぜ日本人は、いつまでも豊かになれないのか?」を読みました。この中で日本のいろんな構造的な問題が指摘されておりますが、僕がこれまでいろいろ読んだ本等を含めて考えるに、中央官庁が一番の大きな問題だと思います。

中央官庁は、国民不在で自分の省庁の利益を最優先にしており、自分たちの権益を大きくすることを目標に日々仕事をしている。省庁と言いましたが、別に省庁に所属している人みんなでは無く、言ってしまえば省庁のトップおよびその周辺にいる権力を持った方々です。その少数の人が甘い汁を吸うために、権力を行使して自分の権力欲等の欲望を満たすために、日々省庁の人々は昼夜を問わず働いているのですね。

そんな人達も初めからそんなつもりで入った訳では無く、国民のためと高い理想を掲げて入ってくる訳ですが、恐ろしい程の縦社会で上にもの申すこともできず、良心を持つ人程疲弊して辞めていく訳です。最近の若者はその実態を分かり始めたので、就職先として中央官庁を希望する人が減り続けているというのは至極当然な話と思います。

僕も以前、一度国の機関の某機構という所に出向になり、国のあるプロジェクトを担当する部署で働いたのですが、そのプロジェクトを管轄する某省庁のなんとか審議官とか言う人は、やりたい放題好き勝手、まさに傍若無人そのものでした。例えば、自分の都合で夜中に会議を設定し、翌朝一で会議の結果を反映した改訂案を説明しろと厳命し、そのため深夜まで働くことしばしばでした。まあ、出向先の部署も北朝鮮みたいなところで僕は心を病んだのですが、その話は別の機会として、とにかく中央官庁がこんなんじゃあ日本は良くならないのもあたりまえだと妙に納得した次第でした。ちなみに、なんとか審議官に対しペコペコしていた某機構の人は、出入りの業者になんとか審議官と同じようなことをしてふんぞり返っていました。

さて、日本が良くならないもう一つの大きな要因は、既得権益を握った圧力団体でしょうね。例えば、医師会とか農協とか郵便局とか。これらの団体は選挙の際の集票力を持っているので、議員に圧力をかけることができる。古今東西、既得権益を持った圧力団体はやっかいです。既得権益はこれを認めないとか法律で決まれば、世の中は劇的に変わっていくのでしょうね。

何だか長くなってしまいました。書いているうちに、不満が湧き出してきてしまいました。とにかく、世の中が良い方に良い方に変わっていきますように。まずは、祈ることからでも。

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