散文
今週もやって参りました。
ベジータが手詰まった時にやりがちな連続エネルギー弾よりは散らかっていない私の散文のお時間です。
早速だが、日曜日の夜の家電量販店ほど気が滅入るものはない。
閑散とした店内に最新のテレビやスマホの鮮やかな光が満ち溢れ、繁忙期のを戦い乗り切って、目の光を失った販売員がゾンビのように彷徨っている。
購入の下調べや、時間がある場合はこういうタイミングを利用するのも悪くないのかもしれない。
しかしながら、この祭りの終わり感と店じまい感の圧力の中で、日立と東芝の洗濯機スペックを比較しようとする奴は相当な強者だ。
延べ10年ほど、イベントの運営に関わる仕事をしていたせいか、日曜の夜の終末の様子を見ているとこちらまで疲れる。
20時に撤収が終われば早い方だ。そこから資材を搬出して、ハイエースで高速道路を運転して備品を倉庫に戻す。帰宅がテッペンを越えていないことなんてなかった。報告書をその日のうちに書くほど体力は残っていない。でも酒はしこたま飲んで気絶したように寝る。
あー疲れてきた。
本麒麟ぶしゅ。
話題を変えよう。
皆さんはやめたいことはあるだろうか。
私は新幹線や高速バスなどの長距離移動の際に、キオスクでペンとノートと酒を買うのをやめたい。
やめたいということは、現時点でやめたいのにやめられていないということだ。
これを手に取った時点で理性は働いていた。レジに向かう間も「絶対寝るよね?」「何か書いたこと一回もないよね?」ともう一人の私が経験に基づく警鐘を鳴らしていた。
なのに、あら不思議。バックの中には全く使用用途が分からないペンとノートがあるではないか。
百歩譲って、ペンはいい。
このノートはなんだ。ディズニーに出てくるお喋りで世話焼な小動物の小道具以外でこのノートを使うやつがいるのか?
コクヨは俺のような異常な性癖の持ち主を想定してこのサイズのノートを出しているのか?ファミリーマートではこのノートの購入実績があったから仕入をしているのか?
もしファミリーマートでこのセットを買ったことがあるという奴がいたら、俵万智か谷川俊太郎だ。
そもそも私は乗り物酔いするタイプなので、新幹線やバスで仕事をしたり映画を見たりしない。高々数時間の移動中にメモを取らなきゃ失われるようなものは生まれない。
なのにペンとノートはある。
きっと何か書くものを持っていたいという焦燥か、旅のお供を買わないと気がすまない病気だ。
それで言うと、社会人の心得としてメモを取ることが推奨されているが、あんなものはただのパフォーマンスだ。
一言一句、内容を留めて置こうと思ったらボイスレコーダーを使えばいい。見返すかどうかも分からないメモに魔力は宿らない。
1時間ほど仕事のメモを取ってみたが、デスクなら10分で出来た試算だ。
たいがい、新しいノートの最初のページというのは少しだけきれいな字で書くものだが、それにしても何がかいてあるか分からない笑
不意に、駅にいた阪神のジャージを来た同年代の輩を思い出す。
あいつらはきっと、自分たちの応援や4,500円のメガホンがクライマックスシリーズの戦績にどのような影響を与えるか考えない。
もしくは、私と似て非なる疾患なのか…
素晴らしいではないか。素晴らしき無駄な世界。
一旦、ストゼロを飲もう。
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