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BOOK REVIEW vol.024 自分の素晴らしさに気づいてますか

今回のブックレビューは、 マドモアゼル・愛さんの『自分の素晴らしさに気づいてますか』です!

“私は私のままでいい”
自分を愛し、安心して生きようと思える、お守りのような一冊

人は誰でも、過去に受けた傷やもつれたままの感情を抱いて生きている。マドモアゼル・愛さんの『自分の素晴らしさに気づいてますか』には、そんな傷や感情を含む「自分の心との付き合い方」や、私たちが「自分自身の素晴らしさ」に気づくためのノウハウが語られている。

著者のマドモアゼル・愛さんと言えば、西洋占星術師としてとても有名な先生。でもこちらの本には西洋占星術の話は書かれておらず、その代わりに私たちが心から安心して生きられる道へと導く、優しいメッセージがふんだんに綴られている。表紙や挿画のイラストやフォントも素敵で、ブルー、イエロー、ピンクからなるメインカラーの淡い色使いからも優しさバイブスが伝わってくる。

親から必要以上に期待され、「理想的な子供」を強調されながら育ってくると、私たちはどうしても、「理想の自分」が本当の自分であるかのような錯覚におちいりがちです。
しかしどう錯覚しようとも、心の隅に押し込められていた自分の感情が消えてなくなるワケではないのです。

『自分の素晴らしさに気づいてますか』P40より引用

私にも子どもの頃、心の奥に閉じ込めた感情やその時にできた心の傷がある。ページを読み進めながら、その傷や感情に、数十年ぶりに恐るおそる触れることができたような気がする。それらは年齢を重ねるうちに、いつの間にか“ないもの”にしていた(したかった)けれど、実はずっと私の心の奥に“存在していた”という事実に、ようやく向き合うことができたように思う。そして今の今まで、私は親が望んでいた「理想的な子ども」を「本当の自分」として生きていたことにも気づいた。

親に褒められたい(見放されたくない)あまりに、ぐっと堪えて行き場を無くした感情。それは決して悪者ではないということを、マドモアゼル・愛さんのメッセージから受け取ることができた。もう隠す必要などなくて、その感情も含めて「本当の自分」であることをただ肯定してあげればいいんだ…という気づきはとても大きく、ようやく何かを許せた気がして涙が出た。

他の人のようになろうとする努力など不要なのです。
あなたはあなたになることです。
そうすれば必ず、本来あなたに備わっている能力も知恵も愛も、自然と時が満ちた際に、美しくあらわれてくるのではないでしょうか。

『自分の素晴らしさに気づいてますか』P234より引用

『自分の素晴らしさに気づいてますか』には、恋愛、友情、お金、感情、心、そして自分と他者を愛すること等・・・さまざまな角度から「本当の自分」へと導く言葉が数多く綴られている。

「本当の自分」を取り繕おうとして、どこかで「架空の自分像」を懸命に演じようとしていた私。そして心の中にある“ものさし”で勝手に他者と自分を測り「私の考えなんて大したことない。他の人はすごい」と日常的に自分を軽んじていたことにも気づくことができた。この生き方が染みついている私には、マドモアゼル・愛さんの言葉に時々痛みを感じたけれど、もつれていた感情がほぐれていくような安堵感もあった。

大切なことは「私は私のままでいい」ということ。自分を責めながら生きるのは、もうおしまい。ありのままの自分を肯定することは簡単とは言えないけれど、この一冊に出会えたことで、その一歩を踏み出せるような気がしている。

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