見出し画像

ラ・リーガ開幕!~心配なドロー発進~

昨シーズンの王者、マドリ―は、開幕戦をドローで終えた。スーパーカップから数日後に加え、ユーロやコパ・アメリカがあった影響により、コンディションが整わない選手がいた。エンバぺの活かし方、3トップが左に偏ってしまうなどをアンチェロッティがどのように解決するのか注目である。


課題

スーパーカップの時とはまた違った課題が見えたため、そのことについて書いていく。
まずは、守備時について、2つ気になったシーンがあった。

エンバぺとヴィニシウスの立ち位置

一つ目は、守備時のエンバぺとヴィニシウスの立ち位置である。

マジョルカのDFがボールを持った時の配置

エンバぺとヴィニシウスは、守備時にはあまり守備をしなくてもよい役割となっている。そのため、マジョルカのDFは、プレッシャーがない状況でプレーができていた。マジョルカのSBにも、ベリンガムやロドリゴがプレスをかけないため、SBにボールが入ると、斜めのパスから中盤の選手にボールを渡すことができる。多くのチームは、中盤の底の選手は展開力のある選手がいるため、中盤の選手にボールが入ると、その後の攻撃を防ぐのが難しくなる。

アタランタ戦では、チュアメニやバルベルデが中盤にボールが入った時にプレスをかけていたが、プレスをかけると、彼らの背後が空いてしまい、そのスペースを使われていた。そのため、後半は、あまり動かないことをしていた。マジョルカ戦でも同じようにあまり動かないようにしていたが、中盤を使われ、ピンチになることがあった。

マジョルカ戦の後半は、2トップと中盤の距離を縮め、対応をしていたが、マジョルカの攻撃を防ぐことまではいかなかった。

カウンターのことも考えると、エンバぺやヴィニシウスにはあまり守備をさせたくない。また、彼ら2人が前線に残ることで、相手に脅威を与えることができる。しかし、2人が守備をしないことを利用されて攻められると彼らを前線に残している意味がない。せめて、中央へのパスコースだけは切ってほしい


左サイドの守備対応

2つ目は、マジョルカの右サイドの動きに対して対応ができなかったことである。

モヒカからマフェオへのサイドチェンジ

マジョルカは、左サイドにボールがある時は、右WGの浅野が内側を取る。浅野が内側を取るため、メンディが引き寄せられる。浅野が空けたスペースをマフェオが使い、フリーとなる。
マジョルカが準備してきたことであり、うまくいっていた。

マドリ―は、メンディが1人で2人を見なくてはいけない状況であったため、その後は、ベリンガムが素早く戻って対応をしていた。そのため、マフェオがフリーでボールを持つことは少なかった。


しかし、気になるのは、ベリンガムのポジション。ベリンガムは攻撃時は中央でプレーをし、守備時はサイドで守備をすることである。昨シーズンからの課題でもあるが、中央とサイドを往復することで、移動距離が長くなる。そのため、体力が消耗することはもちろん、攻撃時に、中央に入るタイミングが遅くなることが出てくる。ベリンガムの特徴である、中央からの飛び出しが効果的ではなくなる。また、相手のカウンターの時には、ベリンガムが中央にいることが多くなるため、メンディが1人で左サイドを守備しなくてはいけなくなる。


ベリンガムの位置

マジョルカ陣内に入った後は、マジョルカはWGを下げた6バックに近い形で守っていた。そのため、相手を崩すことが難しく、細かいパス交換からチャンスを作るしかないかった。

ただ、この時に、ベリンガムがマジョルカの中盤とDFの間にいることが多く、彼にボールが入った後は、チャンスになることが多かった。

敵陣に入った時の形

また、彼のスルーからエンバぺにボールが入り、チャンスを作っていた。

カルバハルのパスをベリンガムがスルーし、エンバぺへと渡る

ベリンガムは、昨シーズンとは異なり、フィニッシャ―よりもパサーの役割が多くなっている。また、クロースが引退したことにより、低い位置でボールをもらいボールを散らすこともしている。色々なことができる選手であるが、個人的には、ゴールに近い位置でプレーをし続けてほしい。

ベリンガムが中央にいることで、背後への動きやボールをもらい、スルーパスを出すことができる。加えて、ミドルシュートも打つことができ、相手にとっては脅威である。
また、エンバぺとヴィニシウスの2人は強力であるため、相手からすると彼ら2人をまず警戒しなくてはいけない。そのため、ベリンガムへの警戒度はやや低くなる。彼にボールが入れば、色々なことができるため、高い位置にいてほしい。

モドリッチが入ったことで、中央に入ったベリンガムへのパスが入るようになったため、ベリンガムを活かすためには、モドリッチが必要になるのかもしれない。

ベリンガムを高い位置に維持させるためには、低い位置でのビルドアップにあまり関わらないことが大切。そのためには、チュアメニがビルドアップ時に今よりも顔を出し関わる必要があると思う。チュアメニとCB2枚でビルドアップができれば安定してボールを回すことができ、色々な攻撃ができるようになる。チュアメニのコンディションはまだ、万全ではないため、今後、コンディションを上げながら、ビルドアップにもうまく関わることができればよい。


エンバぺがフィットすればゴールを量産してくれると信じている。また、関係性がはっきりすることができれば、相手に的を絞らせない攻撃をすることができる。
アンチェロッティ監督の選手交代のタイミングは疑問になる。エンバぺやヴィニシウスは交代させるのが難しく、バルベルデやベリンガムは代えの利かない選手であるため、交代が遅くなるのはわかるが、コンディションなどを考えると、早めに交代することができたと思う。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?