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明治安田J2リーグ 第21節 ブラウブリッツ秋田VS清水エスパルス

4試合勝利がない秋田とアウェイで3連敗中の清水の対戦。早い時間から得点が生まれる。サイドの折り返しに合わせた梶谷が決め秋田が先制に成功する。さらに、42分にも得点をし、秋田が2点リードで前半を終える。後半開始から清水は選手交代するが、秋田の勢いを止められない。50分に青木が決め、秋田が3点リードする。70分に原が1点返すが試合終了。秋田が3月以来のホームで勝利を上げることができた。



感想

ブラウブリッツ秋田

ゲームプランがはっきりしていた。前半戦(対清水)の時と同様に、ロングボールを使い、競り勝ち得点を狙う形があった。加えて、梶谷が降りてワンツーなどを使い、右サイドの背後を狙い得点をした。セカンドボールへの反応が早く、アバウトなボールを前線に送っても、ボールを拾い、攻撃に繋ぐことができていた。守備時は、横のスライドが早く、清水のボール回しについていくことができたため、決定機を作られることがほとんどなかった。素晴らしい試合内容であった。


清水エスパルス

前節と同じく3失点。加えて、ボコボコにやられた。愛媛戦では、3失点以上の敗戦であったため、特に守備でどのような対策をするのか注目していたが、対策はなかった。そのため、またしても早い時間帯に失点をしてしまい、前半から難しい状況になってしまった。また、失点をしてしまうと動きがなくなってしまうため、チャンスを作ることがほとんどできなかった。攻守ともに何をしたいのかわからない試合であったし、今シーズンはそのような試合がほとんどである。次節はホームに戻るが、戦い方と結果によって、今後の結果が決まりそうである。


解説

清水 サイド攻撃の課題

この試合では、全体的に動きが少なかった。特に、PA内の選手の動きが少なかった。動きがないため、ピンポイントでクロスを合わせなければ得点ができないため、難しい。サイドにボールを送り、チャンスを作ることを試みているがチャンスを作ることができないため、整理しなければいけない。現在行われているユーロでドイツ代表が行っている攻撃が参考になるため、それを踏まえて解説する。


図1は、サイドにボールが渡った時の動きを示している。この試合の選手であれば、図の矢印の通り、北川がDFの背後を狙い、北川が空けたスペースにカルリーニョスが入る。タンキはターゲットとして相手と駆け引きをしている。

図1 サイドにボールが渡った時の動き

図1での動きの後は、図2のような形となり、フィニッシュする。

図2 動きの後

ユーロの開幕戦であるドイツ対スコットランド戦での先制点(得点者ヴィルツ)は図のような形であった。2、3人が背後へのランニングをするため、相手はつられてDFラインが下がる。そのため、ライン間が空き、そのスペースを活かしてのフィニッシュであった。この攻撃は、引いて守る相手に対しても有効である。

このような攻撃をするためには、自ら動きをつけなければいけない。逆を言えば、動きがあるからこそ相手がつられて動き、スペースができ、チャンスを作ることができる。

前節同様、攻撃時に動きがないことは問題である。特に、PA内の動きは相変わらず少ない。動きがあまりないために、相手を動かしてシュートコースを作ることや、フリーでボールをもらいシュートを打つことができない。ただ、動きをつければよいということではないが、動きがない中での攻撃は停滞してしまう。また、得点しないと動きをつけることができないことも問題点。

どのように組み立てて、どのような形でシュートを終えるのかをチームで共有する。また、シュートするためにどのような動きをするのかもある程度は決めなければ、選手任せとなり、動きのある攻撃をすることができない。


清水 守備の仕方

この試合でも背後を狙われた。山原の背後を狙われることは予想できたが、それに対しての対策がないことに関しては疑問である。山原が背後を取られないことが一番だが、それができないため狙われている。また、この試合では、秋田がワンツーを使い山原の背後を狙っていたため、彼一人の問題ではない。彼をSBで起用するのであれば、対策は必要不可欠。そのため、対策の1つを示す。

図3 4-1-4-1の形

個人的には、図3のように、守備時は4-1-4-1にする。このフォーメーションにすることで、宮本がフリーマンとなる。そのため、中盤でのセカンドボールを拾うことができる。また、図の太矢印で書いてあるスペースにカバーをすることができる。そのため、SBの背後をカバーすることと、相手がサイドでボールを持った時に数的優位にできる。宮本は、危機察知能力が高く、SBのカバーをすることがあるが、中央の選手が気になり、出られない時がある。そのため、宮本をフリーマンにし、サイドのカバーをする役割が合っている。

もう1つの対策としては3バックである。しかし、住吉か蓮川でなければ務まらない(3バックの左)。彼らはスピードがあり、素早いカバーリングをすることができるからである。だが、高木がこのポジションに入っても、十分なカバーリングができない。住吉か蓮川がいない時は、3バック以外の対策をしなければいけない。そのため、解決策として4-1-4-1で宮本をフリーマンにする方法がよいと個人的には思う。


アウェイでの連敗で気になることは、早い時間帯の失点と、ボールを持っている時間タッチ数である。山口戦の時にも書いたが、タッチ数が多い。相手の素早いプレスを回避するためには、ボールを素早く回すことが大切である。そのためには、常にボールをもらえる位置にいることが大切であり、全員が理解しなければいけない。このようなことができれば、自然とタッチ数が少なくなり、ボールを持つ時間が減る。このような制約が必要である。



アウェイ4連敗となり、首位陥落となった。厳しい状況であり、サポーターとしてはチームへの不満が溜まることは自然なことである。しかし、このような厳しい時こそサポーターがチームをサポートし、共に戦わなくてはいけないと思う。個人的には、監督の采配に疑問を感じることが多い。また、選手への批判もしたくなる。しかし、それではいけないと思う。我々、ファン・サポーターは応援することしかできない。だが、その応援が選手を後押しする。サポーターであるならば、苦しい状況でこそ共に戦い、応援をしなければいけないと思う。私は、この先良いことがあると思い、応援し続ける。

加えて、多くの人に、なぜ負けたのか議論していただきたい。サポーター同士が議論したところで直接チームに意見が通るわけではない。しかし、話し合うことが大切だと思う。
清水サポーターは議論ができるとてもよいサポーターだと思う。だからこそ、サッカーのまち清水だと思う。多くの人と話し合うことでサッカーIQが高くなる。私もその一人である。今後、サッカー選手となる子供のためにも、様々な場所で議論し、色々な案を出していただきたいと思う。私のこの投稿も参考の1つになれば幸いである。


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