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プロスペクト理論からいろんなことを考えてみた【行動心理学】【投資】

 #行動心理学 #プロスペクト理論   について考えていたら、
色々と思考がジャンプしたので、そのお話をしてみたいと思います。

行動経済心理学は、投資などにおける心理学の一種で、
「人はお金のことになると、非合理的な行動を取ってしまう」
ということが、アメリカの心理学者 ダニエル・カーネマンさんによって提唱されています。
その中でも、代表的な業績
「プロスペクト理論」のことを考えていたら、
急に経営者視点でこうしたほうがいいよね!って思いついたので、
しっかりと分解してお話してみたいと思います。

◇1、そもそもプロスペクト理論って?

しっかりとした説明については、専門書を読んでいただければと思いますが、今日はざっくりとした形でイメージを掴んでください。

まず行動経済学の前提は、
「とにかくお金に関して損をしたくない」
という心理です。
「当たり前じゃないかぁ!」という声が聞こえてきそうです。

誰もが思っていることなのですが、
「損をしたくない」「損をしたくない」と思えば思うほど、
私たちは非合理的な行動をしがちになる。
というのが、行動経済学です。

そして、そのだいっきらいな損は、
私たちの感情を大きく揺れ動かします。

プロスペクト理論は、この幅の大きさが、
得をしたときの喜びよりも、損をしたときの悲しみのほうが大きいという理論です。

画像1

↑画像は:https://fuchinochidou.hatenablog.com/entry/2020/01/28/225914より引用させていただきました。

画像を見ていただくとわかると思うのですが、
金額は同じ2万円でも、
2万円の利益を出したときの満足度は1に対して、
2万円の損失を出したときの不満度は2を超えています。

実際に2倍以上、損を出したときの感情が大きくなってしまうんです。

だから私たちは、過剰に損を嫌います。

その結果何が起こるか?

例えば株式投資の場合、
含み損の間は、「損切り」ができず、
含み益になったらすぐに「利益確定」をしたくなる。

言葉を変えると、
損をするときの金額は大きくなりがちで、
利益が出るときは金額が小さくなりがち。

結局、トータルではお金を減らしてしまう可能性が高くなってしまうんですね〜。

これがプロスペクト理論です。

◇2、経営者目線で考えてみた

たまたまこのプロスペクト理論について考えていたときに、
投資家目線だけではなく、経営者目線で考えてみたんです。

自分も「経営者」を目指している一人として考えました。

それは、雇われている社員にとって、

昇給になった喜びよりも、
減給になった悲しみのほうが大きいのでは?

と思いました。

事実、昔働いていた会社でこんなことがありました。

当時のわたしは、まだお金の管理もずさんで、
月の給与をギリギリまで使い切るような生活をしていたので、
毎月25日の給料日が待ち遠しくって仕方なかったんです。

そして、やっときた給料日。
ATMにお金をおろしに行くと、

「あれ?なんか少なくない?」

違和感を覚えた私は、普段は確認すらしない給与明細を、先月のものと見比べました。そうしたら、先月まで付いていた手当が大きく減っていたんです。

毎月ギリギリの生活を送っていた当時の私にとって、数万円の手取り減はかなりの痛手です。

なにかの間違いではないか?すぐに会社に問い合わせをしてみました!

私「どうしてこの手当が急に少なくなったのでしょうか?」

と、会社の経理に問い合わせました。(小さな会社だったので社長の奥さんが対応してくれました)
会社側の回答はこうです。

会社「逆ですよ。いままで手違いで払いすぎていたんです。なので、払いすぎた分を3ヶ月間引いて計算してあります。」

私「はぁ、・・・・そうですか。」

そして間髪入れず、

会社「多すぎても教えてくれることはないのに、少なくなったらすぐに言ってくるんだから都合がいいわね」

私「・・・すいませんでした」

なんかすっごい損した気持ちになりませんか?

これって双方にプロスペクト理論が働いていると思うんですよね。

まず私は、いつもより手当が多いことには気づくことができませんでしたが、減ったときにすぐに気がつくことができました。

それは減ったときのほうが感情のブレが大きいからです。

さらに会社にそのことを確認しにいったら、会社側のミスなのに、なぜか自分が悪いみたいな言い方をされる。

ダブル損でした・・・

会社としては、
給与を払いすぎた=損なので、
自分たちのせいにはしたくなかったのかも。

このときにだいぶ意欲がなくなってしまったので、最終的には退職する運びになったのですが、今思うと、やられたことはものすごく従業員の士気の下がる行為だったと思います。
もしも、自分が経営者になったらこんなことを起こしてはいけないと強く思いました。

では、経営者として何をすべきか?
経験の無い私がこんなことを言うのはいささか説得力にかけますが、
リスクを取って失敗しても、減給にならないことを会社が保証することだと思っています。

私たち損がとにかく嫌いです。だから私たちはリスクを嫌います。
でもリスクを取らないと大きな成果は望めません。

「その(減給の)リスクは、あなたの代わりに私が取るから、
めいいっぱいチャレンジして!」

これが私の考える理想の経営者像です。

◇3、それを実践していた会社 未来工業

このイメージをしているときに思い出した会社があります。

それは、「未来工業」という会社です。

上場会社ですので、ご存じの方もいるかも知れませんし、
社長の山田昭男氏がカリスマ経営者で、
カンブリア宮殿に出演されたときに感銘を受け、
同氏の本を何冊も読み漁りました。

タイトルからして異質ですよね。

とにかく世の中の殆どの会社が黒字を出し続けることができないのなら、その逆をやったほうが良いという発想で、常識では考えられないことを次々と実践していった会社です。

未来工業についてのエピソードをいくつか紹介すると、

社内に貼ってあるMISSION的なものが、
「常に考える」です。


加えて「ホウ・レン・ソウ」が禁止なので、
新人だろうがなんだろうが、上司から命令は何も来ないそうです。


加えて、この会社の平均年収が700万円近い金額。
新人だろうが社員であればこの金額だそうです。

でいて、年間休日140日、育休3年、残業なし

日本一社員が幸せな会社だそうです。

考えられますか?こんな会社があるなんて。

私がスキなエピソードがこれです。
「一度雇った社員は、3年間はタダ飯を食わすつもりで育てろ」と。

実際に新入社員でこの会社にはいると何が起きるかというと、

入ってみたはいいものの、
なんの命令も来ない。。。
なのに一般の平均年収を大きく上回る給与をもらえて、
休みもたくさんもらえる。

そうなると、社員は嫌でも、
何かを返そう、会社に恩返ししよう
そういう発想になってみ自ら動き始めるのだとか。

そして、3年間は結果が出なくても給与が保証されている。

だったら思いっきりがんばれますよね。
こういう会社を目指したいなと、この話を書いていて思いました。

◇4、まとめ

プロスペクト理論の話から、だいぶ話が飛躍してしまいましたが今日のまとめです。
・プロスペクト理論は、損をしたときの悲しい感情が強い
・その理論から経営者視点で考えると、減給による社員の士気の低下は激しい
・会社側は社員のチャレンジを後押しし、経営者はそのリスクを取るのが良いのでは?

ということになります。

3の話は一筋縄ではもちろんいかないでしょう。
綺麗事ではありませんから。
ただし、一見の価値あるかと思いますので、
ぜひ一度本を読んでみてくださいね。

びっくりしますよ〜!

◇最後に

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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