見出し画像

「法を超える」のが大好きな日本人

ジャニーズ事務所の記者会見は色々思うとこはあり、共犯関係にあったマスコミがいっせいに掌返しで石を投げ出したのは、戦争を煽りまくった戦前の新聞が戦後急に軍部が悪かったと掌返ししたのに通じるとこがまずあった。

あとやはり新社長が非常にやばいことをさらっと言ってしまってるのが気になった。被害者救済について「法を超えて」と言ったわけだが、それじゃ法治国家じゃないわけで。法を超えて、つまり法に基づかず法的根拠なく補償するのだとしたら、言わば言ったもん勝ちの無法状態になる。

何の証拠がなくても「被害者です」と自己申告で手を上げさえすれば補償を受けられてしまうし、今後事務所の売上の何割かが救済に充てられるのだとしたら、尚更そういう自称被害者が出てくる可能性はある。そういう人に疑いの目を向ければ「気の毒な被害者を疑うのか!」と、また別の意味で物言えぬ空気が醸成されていく。

当事者の会代表は今年始め頃は性加害について「マッサージの延長」とか過小評価する発言をし「ほんとにファミリー」とか言ってた人物で、世間の風向きが変わったら急に被害者の代弁者のような顔をし始めた人物。ジャニーズなんてどうでもいいという人はこの件についてはどうでもいいだろうが、そういう「法を超えた」被害者正義が平然とまかり通るようになるのは法治国家の瓦解を意味するし誰にとってもやばいはず。

そういや「法的根拠は何もないけど思いやりだからマスクしろ」も「法を超えた」ものだったが、日本人はつくづく明文法よりも慣習法で、「法を超える」のが大好きな国民でもある。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?