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シャカチカ(社会人として力をいれてきたこと) 新卒〜28歳

会社の昇格試験で聴かれる気がするので練習として書いてるやつ④。どん就を経て、やっと社会人です。

最初の配属は経理

いきなりいちばん苦手な分野の仕事でした。
なにしろ出自が文学部バンドマンですので…

でもひとつ、大切なことを学びました。
それは、『ユーザー目線で仕事をする』ということです。ユーザーから遠いポジションだったからこそ、意図的に意識する必要がありました。

経理の仕事といってもその会社や部署で様々ですが、新人の僕が担当していた仕事は、『伝票処理』が主でした。日々手元に届く伝票を見て、予算がルール通り使われているか確認し、正しく経理処理を行うことが主たる業務です。

ただその『ルール通り』という部分が難しいのです。どんなルールにもその境界線上にグレーな部分があります。そのときの判断は、担当者の判断力に委ねられる部分が大きいわけです。

短期的な視点で柔軟に対応すべきときと、長期的な視点で厳格に対応すべきときがあります。どちらとも取れない微妙な状況もよくあります。

また、ルール自体を変更する必要が出てくる場合もあります。

そのルールに多くの人が関わる場合は、
ルールをより細かく設定する必要があります。
柔軟な対応の領域で判断のブレが出て公平性を損なうためです。ただ一方で、細かくルールを決めるほど柔軟性を損ねることになります。

そのルールに関わる人が少ない場合は、現状にそぐわない細かなルールは撤廃あるいは改変をして、柔軟な対応をしましょう、ということにもできます。判断に迷う場合はコミュニケーションで解決できるわけです。

いずれにしても大事なことはこの2つです。

1. ユーザー視点
管理側の効率は自然に考えますが、ユーザー視点は忘れられがちです。なるべくシンプルなルールを設定し、わかりやすい説明を。

2. ルール自体を変える労力から逃げない
関係者の意見の調整や承認にかかるエネルギーと時間を、日々の事務処理業務の中から捻出するのは大変なことです。そこから逃げ出して『ルールなのでできません』と言い続けるほうが楽なわけですが、それだとユーザーが困ります。

2.のほうはあまり実行できませんでした。
当時の僕は…一言で言うと非力な若僧でした。

この仕事は2年間やりました。

大学事務の仕事

つぎの仕事は、入試や定期試験、時間割の設定などなど、いわゆる大学事務の仕事『全般』でした。

経理の仕事は工程がわかりやすい(誰が何を判断するか決まっていて、何事にもルールがある)のですが、今回は逆でした。

大学事務は細かな仕事の集合体です。分業化されていて全体像が見えづらい。

それぞれの部隊で事情を抱えていて、『あちらを立てればこちらが立たず』という状況がよく起こります。

当時の僕は、『誤った判断をくださないために、まずは一年、先輩たちの仕事を真似してみて、その中で全体像を理解しよう』と思いました。この感覚が、半分合っていて半分間違っていました。

判断力は、人の真似事をしている内は身につかないです。自身で判断を下して、その結果を受け止めないと身につかない。だから一年経っても二年経っても、判断力が身につかなかったのです。

当初は、『まず全体像の理解をしなければ』と思っていたわけですが、そもそも『全体像』なんてなかったのです。組織は、構成員のそれぞれがくだす判断の集合体です。『全体像』という輪郭なんてないのです。
まず自分で判断して、動いてみれば良かった。その動き自体が組織の一部になるわけですから。

ゴチャゴチャ書きましたが、要するに頭デッカチだったんですね。当時の僕はプレイヤーではなく評論家でした。

転機になったのは、転職してきた先輩(人生経験的に先輩なのでこう呼びます)と一緒に仕事をしたことです。

頭がカチコチになっていた僕が『でもそれは』『それだとコッチ方面に迷惑がかかります』的なことをボソボソ言うと、いつも『あっそ。で、どうする?』とバッサリ斬ってくれました。理由ばっかりで結論がなかったんですね、自分…。

つぎの仕事は、就職支援の仕事でした。
この異動も大きな転機になりました。
それはまた『シャカチカ 29歳〜』で書きます。

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