8/10〜8/15 北海道旅行

人生初のお盆休みなので、5泊6日で盛大に北海道旅行に行ってきた。
北海道に行くのがそもそも初めてだったのだが、東京より圧倒的に涼しくて見晴らしも良くて本当に快適だった。到着した瞬間から帰りたくなくなったくらいだ。

8/10
友人に電車で新千歳空港まで迎えに来てもらい、札幌で寿司を食べ、バーで生まれて初めて「生ハムメロン」を食べたりした。寿司はもちろん美味しかった。あと帆立バター。生ハムメロンは100+100=100という感じの味だった。
夜の公園のベンチでちょっと休憩したのだが、夜の気温は東京の6月半ばという感じ。とても快適。

8/11
友人の車の運転で、夕張に行ってみた。炭鉱博物館というものがあり、夕張を始め北海道の炭鉱の歴史などが学べる場所だった。堂々と夕張をディスってて面白かった。

夕張市は炭鉱を閉山としたのち、あらゆる観光事業をやって結局財政破綻した。どうすれば財政破綻せずに済んだのか色々考えたけど長くなるので割愛する。
私は自称廃墟マニアなので、ゴーストタウンはテンションが上がる。こういうゴーストタウンに集まる人は「炭鉱マニア」「廃墟マニア」「心霊スポットマニア」とざっくり分かれるように思うが、炭鉱マニアは無学な廃墟マニアを見下しているし、廃墟マニアはバカ騒ぎする心霊スポットマニアを見下している。そういう一面をグーグルマップのレビュー欄で垣間見れるので、暇な人は探してみると面白いと思う。

坑道の展示コーナーのマネキンが、ひとつひとつ表情が違う上に睫毛まで付いててちょっと怖かった。あとこのコーナー、極寒だった。
本当の坑道は年中気温25〜28度、湿度100%とのことだ。それだと暑すぎるのでそこまでは再現しなかったとのこと。温暖湿潤気候民にとって8月に28度なら充分涼しいので、完全に再現してもらっても構わなかったのだが。

夕張神社からの眺め。最盛期には人口12万人ほどだったが、今では7000人を下回るという。

奥に見える建物が、旧北炭清水沢火力発電所というところだ。一度廃墟と化したがその後人の気配を感じるようになったのか佇まいを正した珍しい廃墟。予約制でガイドが中を案内してくれるらしい。コスプレイヤーに人気なんだとか。運営が廃墟マニアを毛嫌いしているらしく、今回はルートから外した。ダムから外観を望めるとあったので行ってみたら、最初どれが例の建物か分からなかった。そのくらい人の気配が感じられる。
連日の大雨のせいであらゆる川が茶色く増水していて、このダムも放水を行っていた。全体的にどの川もこんな色だった。
あと、夕張のゆるキャラ「メロン熊」のショップがある。全然ゆるくない風貌で異彩を放っているアレだ。入り口からこんな感じだった。


この日は帯広に一泊した。道中、山の上から平野を見渡すことができて、眺めが良かった。海のように見えるが、全部陸。


8/12
雄別炭鉱跡を通って知床に向かおうと思ったら、河川氾濫の危険で雄別一帯が通行止めになっていた。悲しい。
知床では知床の湖を見たりして、結構山道を歩いた。ヒグマの生息地で、毎日ヒグマの目撃情報があるらしい。散策前に15分ほどヒグマ対策の案内があったりして、わりと緊張感があった。
知床世界自然遺産。

雄大な自然。ここにしか生息しない草花もあるらしい。そういえばセミも本州と鳴き声が違う。草花や岩石なども事前に勉強してくれば良かったかなと思う。
そのあとはカムイワッカの滝に行った。知床五湖よりさらに奥の方で、足湯ができる川がある。こんな感じ。

どう見ても川なのだが、硫黄を含んでいて温度は30度くらい。つるっつるというわけでもないので頑張れば上まで登れる。これは中腹あたりに立って撮った写真。源泉は70度でpH1の強酸熱湯が沸いているらしい。それが他の川と混ざって30℃くらいのいい感じの湯加減となってここに届いているとのこと。ここはかなり山奥で電波ももちろん届かないのだけど、いい感じの温度のいい感じの硫黄分のお湯が人が登れるくらいの傾斜で存在してるのはすごい。
ちなみにこれは1の滝で、4まであるらしいが落石により通行止めだった。

知床から北見へ。
途中友人の車が走行距離111111キロを記録したので写真を撮ってみた。

私はペーパードライバーなので、運転は全て友にお願いした。本当にありがとう。

8/13
北見からまた知床に移動して、この日は知床観光船に乗った。台風が東京に上陸していたようだけど、オホーツク海は何の影響もなく晴れていて波も穏やかだった。

海綺麗。

船が大きいのでほとんど揺れず、3時間弱かけて知床の端まで往復したけど全然酔わなかった。船の外は風が吹いていて気持ちよかったが、道民と思わしき人たちが暑い暑いと言っていた。船の中はエアコンでキンキンになっていた。
遠くで霧が出ていたので、国後島は見えなかった。冬はこの船で流氷を見に行けるらしい。めちゃくちゃ寒そうだけど気になる。

その後はまた北見に戻った。
居酒屋で食べた玉ねぎバターが美味しかった。


8/14
北見から旭川を通ってひたすら札幌を目指す日。道中面白そうなものがあったら寄ることにしていた。

セイコーマートでゆでとうきびを見つけたので朝ごはんに食べる。甘くてプリプリだった。歯並びが悪くてとうもろこしを綺麗に食べられないのが相変わらずのコンプレックス。
北見の端の方にある「道の駅 おんねゆ温泉」に立ち寄った。この旅行で度々道の駅に寄ってはお土産コーナーを覗いていたが、この道の駅はお土産は少なめだったがアイスや牛乳、ご当地物の軽食が充実していた。

またコワモテの熊……。メロン熊といい、熊をかわいくデフォルメする気が毛頭ないあたり、現地の人がいかに熊を恐れているかが窺える。

アイスの看板がバグっている。
ご当地ソフトクリームというのは各地にあるし、北海道だけでもかなりの種類があるのだが、いかんせん肌寒いのでなかなか積極的に食べる気が起きないのが難点。朝9時だったし。

牛乳を買う。牛乳と飲むヨーグルトで3種類飲んだけど、ご当地もののまったりした牛乳はクセになる。

道の駅の裏に北きつね牧場というものがあったので入ってみた。

キツネがたくさんいた。触れられるくらい近くにいるので、うっかりしてるとバッグのチャームを引っ張られたり、うんこ踏んだりするようだ。タヌキもいたけど檻に入れられていた。待遇に差がある。
道の駅おんねゆ温泉は見所が結構あるし、人はそんなにいないし、温泉が近くにあるし、最高。
北海道は広いので色んな道の駅がある。その周辺のご当地品がおいてあるので覗いてみると楽しい。海沿いの道の駅は海産物、内陸はメロン推し、牛乳推し、野菜推し、米推しと細分化されている。北見はハッカ推し。阿寒湖周辺はマリモ商品が多い。
そういえば大昔「まりもっこり」というキャラがいた気がする。全くと言っていいほど見かけなかった。土産屋の片隅で色褪せた状態で雑に置かれていたので、多分もう生産していないのだろう。

そのあとは通りかかりの温泉「層雲峡温泉」に行ってみた。「天人峡温泉」という廃温泉街エリアも気になってはいたが、かなり遠回りなので行くことはできず。層雲峡温泉は現役の温泉街。10時半ということもあり入れる温泉は限られていたが、ゆるくて良い湯だった。
やたらラーメン屋があったので旭川ラーメンを食べた。めちゃ美味しかった。

そのあとは芦別炭鉱に行こうかと一瞬思ったけど、見所がだいぶ奥地にあるためやめておいた。19時には札幌のジンギスカン屋に行くことになっていた。
見所があるか微妙なところだったが、美唄炭鉱を目指すことにした。「炭鉱メモリアル森林公園」という所があり、モニュメント的な扱いで竪坑櫓が残っているらしかった。あと数個当時の建物があるとのことだったが、レビューで「子どもが行っても何も面白くはない」と書かれていたため若干の不安はあった。
美唄の市街地を東へ進んでしばらくすると、車がいなくなった。電波もゼロになり、4Gも消えた。北海道、電波のないところがたくさんあるけどその度に心細くなる。
道路沿いに廃屋が増えてきて、しばらくするとモニュメントが見えてきた。

綺麗。残っているというより、後から記念に建てられたものらしい。「メモリアル公園」と言われているけど管理者が常にいるわけではないと見た。公園の入り口がわからないのでしばらく車でうろうろしていた。ここかなと思ってタイヤの跡を辿っていくとただの広場に出て、そのタイヤの跡が広場をぐるっと一周していたので、あらゆる廃墟マニアが同じ思考回路でここに入ってきて、また出ていったんだなと思った。
こんな道だった。


ちょっと戻って入り口をみつけた。ちゃんと地図があった。


公園の先の室蘭へ続く道が封鎖されていた。その先に行くと小学校跡などあるらしいけど、仕方ない。
「クマ注意」「クマ目撃情報あり」の看板がたくさんあったので冗談抜きで怖かった。なんせ電波が入らない。入り口から目的の建物まで50mほどあり、虫除けスプレーは持っていたけど、ハチも怖かった。真夏ということもあり、草が生い茂っているし、どこでハチを刺激するか分からない。

↑竪坑開閉所。中は整備されてモニュメントが置いてあったけど入れない仕様。


↑原炭ポケット。デカい。最高。夏空の青さに緑の力強さが映える。
耳元で羽虫が低い音でブンブン言ってるので、そそくさと車に戻った。入り口に戻ると4人家族が車から降りてきたところだった。5歳と3歳くらいの女の子連れで、下の子を担いで父親がノリノリで丘を登っていった。上の子は虫が怖いと言って車から離れようとせず、母親が上の子に付き添って入り口で待つことになった。子どもが来て楽しいところではないよなあと思った。
車に乗り、周囲を散策することにした。ハチかアブかわからないけど大きな虫がずっと付いてきて窓に体当たりしてきたので怖かった。

↑中学校体育館。今は事務所になっているらしい。草ボーボーだけど現役。アルソックのシールが真新しい。虫が怖くて降りられない。

派手に崩壊してる家。全体的に北海道の廃墟は崩壊っぷりが派手。もう東京の廃墟では満足できない……。

↑軽く崩れてる橋。車で渡る。


怖すぎる!
でも廃墟マニアの先人が車で渡った痕跡が微妙に残ってるから、多分大丈夫。

行き止まりでした。タイヤの跡がその先にも延びているから、前は行けたんだろうな。奥には廃病院があるはず。
戻って別の道へ。

柵がどうであれ地面にヒビが入ってなければ大丈夫。
どこもかしこも行き止まりなのに、公園に向かう車と数台すれ違ったりした。やっぱり人気スポットなのか。

すごい廃墟を見つけた。郵便局の廃墟。かつてこの町がいかに賑わっていたか。立派な郵便局。

とても良い。自然に還っていくところ。いってらっしゃいという気持ちになる。
農家のおじさんと遠目でばっちり目が合って、怒られるかなと思ったけど、おじさんはどこかに行ってしまった。そのあとそのおじさんの家の敷地内にうっかり入ってしまったけど、特に何も言われなかった。親元を離れたばかりというような若い猫が玄関先で寝ていて、すれすれのところを車で通ったのに全く起きる気配がなかった。知らない人が入ってくるの、日常茶飯事なんだろうな。

そしてまた札幌へ向かう。北海道の夏、いいな。毎年廃炭鉱巡りするために来るのも良いかもしれない。ていうか廃炭鉱いいな。廃炭鉱マニアのこと鼻につく奴らだと思ってたけど、知見が広がるし、掘り下げてみるのも面白いかもしれない。まあ……私は運転できないんだけど……。


以下載せきれなかった写真集。

↑平成10年くらいの女性ばかりの看板。すすきの。

↑すすきの。風俗の看板が露骨すぎてむしろ健全に見える。

↑夕張で食べたカレーそば。これを食べに沖縄から来ている人もいた。

↑カレーそば後のカレー。北海道にチェーン展開している「インデアンカレー」という店。インデアン要素は分からない。野菜の甘みが濃くてまろやかなカレー。むちゃおいしい。

↑最近ご当地サイダーというのも流行っている。帯広駅で購入。マツ味。好きな味。

↑最近廃ガソスタが東京近郊でも増えていて、電気自動車は普及しないし全然活用方法がないらしいのだけど、これはガソスタの居抜きとして大正解なのでは。東京近郊では真似できないけど。

↑弟子屈(テシカガ)ラーメン。魚介醤油。魚介系苦手だと思ってたけど、とても美味しかった。単に今までの魚介系ラーメンでハズレを引きまくっていたのかもしれないけど。


↑旭川ラーメンの写真を載せ忘れていた。チャーシューてんこ盛り。油っぽさのないチャーシューなのでたくさんあっても嬉しい。縮れ麺もコシがあってとにかくお腹いっぱいになる。味のバランスが絶妙。最後に残ったスープを飲んでも、濃くも薄くもなくちょうど良い味。

↑あばしり牛乳。おこっぺ牛乳と比べて喉越しすっきり。瓶も渋くて良い。

↑帯広名物の豚丼。B級グルメと侮ることなかれ。タレの量、米の量、肉の量がバランス良くておいしい。

↑ジンギスカン美味しい!ジンギスカン美味しい!ジンギスカン美味しい!

↑羊乳アイス。こってりしている。

カニ食べたいなーなどと思っていたけど、途中で旬じゃないことに気づいた。店もなかなか見つからないわけだ。


北海道で遠くばかり見ていたおかげか、心なしか目が良くなった気がする。あと緑は本当に目に優しい。
また行きたい。今すぐ行きたい。東京暑すぎる。冬の厳しさも体験してみたいけど、舐めてかかったら本当に死にかねないんだろうな。

6日間の旅で1200キロ以上移動したらしい。運転してくれた友よ本当にありがとう。

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