ありがとうと愛情エネルギー
「ありがとう」
そういわれると気持ちいいのはなぜだろう。ただの言葉なのに。チェーン店の店員に言われる「ありがとう」と好きな人にいわれる「ありがとう」。うすうす感じていたが、何か違う。好きな人に言われたほうが嬉しいし、心がときめく。そうか、気持ちいいのは、心がときめくからか。
今年から、息子と畑を始めた。何人かで農家から土地の一角を借りて市民農園みたいな感じでやっている。ただ、育て方は、農薬や化学肥料を利用する「慣行農法」ではなく、自然の力や自然由来の有機肥料を利用する「有機農法」だ。有機農法は農薬を使わないため、虫たちに食べられたり、化学肥料を利用しないため、発育が難しいとされている。
自分たちは初めてこの「有機農法」で夏野菜を育ててみることにしたのだが、不思議な経験をした。
隣の畑と同じ時期に同じ方法で同じ野菜を育ててるのだが、明らかにうちの畑のほうが発育がよい。ナスなんか、隣は2個しかできていないが、うちの畑にはもう12個もできた。
この差はなんなのだろうか。思い当たることが1つある。
子どもだ。
隣の畑は老夫婦が黙々と育てているが、うちの畑は息子と妻と3人で育てている。毎週のように畑に通い、息子は畑に向かって声をかけている。
「菌ちゃん、ありがとう」
「野菜さんおーきくなあーれ、おーきくなあーれ」
野菜の発育は土の影響が大きいという。土の中にはたくさんの菌が住み着いており、その菌たちが土の中や空気中の栄養素を取り込み、野菜たちにも栄養を分けているのだそう。
私たちの畑は子どもの声掛けで、この菌たちがたくさんいて、野菜を大きく育てたのかもしれない。
実際、子どもが植物に声掛けを行うのと行わないのとで発育具合を比べた実験があるそう。実験結果からも子どもが「ありがとう」と植物に声掛けを行うと発育がよかったことが観測されたのだという。
なるほど。これは言葉や声掛けに何かしらのエネルギーがあるのかもしれない。
私はこれを「愛情エネルギー」と呼ぶことにした。
人の言葉や感情などに含まれる意識が向けられた相手に影響する。「ありがとう」と心を込めて言われると心がときめく。この理由の正体は「愛情エネルギー」なのかもしれない。
こんな話を友人にするとスピリチュアルに聞こえたみたいで、「最近、大丈夫か」と心配された。しかし、この不思議な話は科学的にも量子力学の世界で観測されている。
量子力学でわかったことを誤解を恐れずに表現すると、「人の思いが結果に影響する」ということ。人の思いは波動エネルギーのようなもので、向けられた何かに影響をおよぼす。
ありがとうの愛情エネルギーも、この波動エネルギーなのだろう。子どもの「ありがとう」という愛情エネルギーが波動となって菌や野菜さんたちに届き、成長を促進させたのかもしれない。
でもどうして、子どもの「ありがとう」のほうが影響が大きかったのだろうか。
おそらく、子どもは疑いをせず、純粋な気持ちで「ありがとう」と伝えているのだろう。私たち大人は心のどこかで、「こんな声掛けなんかで効果があるのだろうか」という疑いの気持ちが混じってしまう。これが愛情エネルギーを弱めているのかもしれない。
そうか、だったら、疑心を捨てて心の底から純粋に、気持ちを伝えてみよう。
妻と子へ
「ありがとう。」
そして、ここまで読んでくれたあなたへ。
「ありがとう。」
指先から心を込めて。
届け、愛情エネルギー!!
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