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【安曇野から発信する潤一博士の目】51~恐竜の卵の化石~

 大学院生の頃、1962~63年に、京都市の同志社岩倉高校で2年間、非常勤講師を務めた。高校は、暮れの全国高校駅伝の折り返し点、国立京都国際会館の近くに在る。講師の控室でもあった理科標本室には恐竜の卵の化石が保管されていた。卵の化石は、アメリカ人宣教師から寄贈されたもので、1923年にゴビ砂漠で恐竜の卵の化石25個が発見され、世界的ニュースになったことがあった。高校に寄贈されたものは、その一部ではないかとのことである。卵の化石は長径25㎝、短径17㎝、重さ5.6㎏の立派なものである。
 2005年3月25日~5月10日に、絵本美術館森のおうちで「黒川みつひろ恐竜絵本原画展」が開かれた際、前記恐竜の卵の化石を岩倉高校からお借りして、特別に展示したものである。
 展示会では『恐竜トリケラトプスとアロサウルス』、『恐竜トリケラトプスのジュラ紀決戦』、『恐竜の谷』の原画と、『恐竜図解新辞典』、「たたかう恐竜」シリーズ、の表紙原画が展示された。

①恐竜の卵の化石と、酒井倫子館長(現名誉館長)と、原田朋子(現館長)
②展示室の様子
③恐竜の卵の化石(長径20㎝、短径17㎝、重さ5.6㎏)と、ニワトリの卵。
④恐竜の卵の化石の表面には、模様らしきものが見える。
⑤恐竜の卵の化石のCTスキャン。
孵化の途中なら恐竜の姿が見られるかも……と期待したが、
残念ながら孵化は始まっていなかったようだ。
CTスキャンは、当時の波田病院(現、松本市立病院)の協力を得た。

(地質学者・理学博士 酒井 潤一)


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