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【安曇野から発信する潤一博士の目】7~ソバ 農業の証人
安曇野にソバの季節がやってきました。私は"ソバの化石”と付き合ってきました。ソバの"花粉の化石"です。花粉は泥炭や泥の中では、腐らずに化石になって残っています。
ソバは日本古来の植物ではなく、中国を故郷とする栽培植物で、縄文時代の末期頃に日本に入ってきたとされています。ソバは、水田稲作より以前から、焼畑で栽培されていました。
昔の堆積物中は、ソバの花粉化石が含まれていれば、農業が行われていたことの証明になります。この方法を花粉分析といいます。
↑松本盆地での例↑
日本列島では、焼畑でソバの栽培が始まった頃から、人々の自然に対する働きかけ(開こん、燃料としての樹木の使用など)によって、原生林は大規模に失われ、アカマツ林などの2次林が形成されました。これが里山です。
(地質学者・理学博士 酒井 潤一)
〈食べる方のお蕎麦のはなし〉少し前まで、信州では蕎麦を自家打ちしている家庭が多かったのですが、だんだん引き継ぐ人も少なくなり、今はお店で食べるものになってきました。もちろん、蕎麦打ち職人さんの打つお蕎麦の味は最高ですが、各家庭の個性的なお蕎麦も引き継がれていってほしいと思うのです。
最後までお読みいただきありがとうございます。 当館“絵本美術館 森のおうち”は、「児童文化の世界を通じて多くの人々と心豊かに集いあい、交流しあい、未来に私たちの夢をつないでゆきたい」という願いで開館をしております。 これからも、どうぞよろしくおねがいいたします。