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万人受けはしなくても

 二次創作の小説で活動しているジャンルがある。今年で10周年を迎えたブラウザゲームだ。
 一時期は即売会にサークル側で参加していたけれど、今はネットで活動している。とはいってもTwitterとpixivに投稿するだけの細々としたもので、ここ数年はオンラインイベントに合わせて無料頒布の新作を出している。

 私の二次創作は、キャラクター同士の組み合わせよりも、創作プレイヤーとキャラクターの組み合わせが多い(プレイヤーに関しては原作では明確な設定はないけれど、メディアミックスではそれぞれの容姿がある)。
 小説の主な題材は、原作では主軸にならない日常生活だ。キャラクターの個別ボイスや限定イラストから妄想を膨らませたり、なんでもない日々(これまた妄想)の一部を切り取って、ぐっと拡大したものを書いている。
 手に汗握る戦闘も、身悶えるような恋愛もない。言い換えてしまえは起伏がない。
 正直なところ万人受けはしない。同じような題材でも、別ジャンルの方が観覧数もブックマーク数もずっと多かった。数字が全てではないけれど、目に見えるものは時に残酷だ。
 それでも書き手の私はそれなりに楽しい。世界観や設定に余白があるから独自の解釈で進めやすいし、時々ほろ苦さやスパイスを混ぜるのも好きだ。

 今はいくつかの作品をまとめて、8月末に発行できるように動いているけれど、自分が書いたものを読み返すのは意外と恥ずかしい(とんでもない誤字が見つかったり、漢字を多用しすぎで文章が固かったり)。
 寄稿以外の作品はネットでも読めるので、紙で欲しい人向けに委託販売を利用した頒布にするつもりだ。

 過去の同人誌や寄稿した合同誌を並べた本棚に、新しい一冊が加わることが楽しみで仕方ない。

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