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プロジェクティングのノウハウ②③

ノウハウ② プロジェクトのメンバー5名の法則

次にプロジェクトメンバーの人数ですが、リーダーを含めて5名がベストです。5名以下では議論が白熱しません。また諸説ありますが、心理学的に人は6名以上の人の意見を理解し集約することが困難だとも言われています。

当社でもさまざまな人数でプロジェクティングを実施してきましたが、4名でも6名でもなく5名のプロジェクトが、常に最も短い時間で確実に成果を出しています。当社のコンサルタントがファシリテーターとして参加する場合でも、クライアントさまの参加人数は5名になるようにしていただきます。

プロジェクトの成功はどれだけ議論が白熱するか?どれだけすべてのメンバーが議論に参加できるかで決まります。

ノウハウ③ プロジェクトメンバーは横断的な人選を行う。

横断的メンバーとは、例えば①営業部②開発部③製造部④企画部のように部門横断的な人材を集めるという意味です。メンバーの職域が同じであれば事業所を横断することも効果があります。

またメンバーは出来れば元気で明るい45歳以下の中堅社員が望ましいです。部門の責任者の参加は望ましくありません。

「責任者を仲間外れにすることはできない」とご心配されることがよくあります。大丈夫です。部門責任者にはプロジェクトの決定事項を最終的にジャッジする、という重要な仕事を与えます。

 具体的には定期的に「プロジェクト協議会」を開催して、そこには全部門の責任者を集め、各プロジェクトからの提案に関してジャッジしていただきます。尚、最終ジャッジは経営トップが必ず実施してください。提案の採択はすべての部門の責任者の意見を聞いた上で、多数決によらず後日、経営判断してください。

 ちなみに御社が実行型組織としての歴史が長ければ長いほど、反対意見が噴出し会議が紛糾した提案こそが、未来の御社を支える再現性の高い成功のシナリオの原石である可能性が高いのです。

 またプロジェクトメンバーが「自分たちはやりたくない」ことを匂わせた提案は、内容が面白くともすべて否決してください。そうした提案はこれまでの経験上、残念ながらうまく行きません。

 いずれにしろ部門の責任者には「今回は中堅社員にやらせてみようじゃないか、君にはしっかりと、プロジェクトの提案に関してジャッジをしてもらう重要な役目がある」と伝えてあげてください。

 リーダーの人選と同様に、プロジェクトメンバーは必ずしも成績が優秀で目立っていた社員でなくてもかまいません。中堅社員が望ましいと書きましたが、横断的な人選のひとつとして年齢、経験年数、性別を横断的にする方法もあります。

 新事業の創出を課題とする場合には事業部を超え、普段は仕事上で交わりの少ない事業部間で人選するなどの方法も成果を出しています。この場合、イメージしていただきたいのはプロジェクトの中での化学反応です。どのような人選をすれば化学反応が起きそうか?ぜひ従業員の顔を思い浮かべながらグルーピングしてみてください。

 プロジェクティングのミソはプロジェクト会議の中で徹底した議論を行うことです。

 議論の中にあらゆる視点が取り込まれることが横断的なメンバーを招集する大きな意味です。