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『これ、いったいどうやったら売れるんですか?』マーケティングの入門書「5つの力」と「競争戦略」


本日は永井孝尚さんの『これ、いったいどうやったら売れるんですか?』をご紹介します。

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よく巷で聞く「マーケティング」という言葉。

この本には、マーケティング理論がわかりやすい事例とともに紹介されていて、とても読みやすいです。

商品を一生懸命売ろうとしているのに売れない人もいれば、頑張らなくても売ることができる人がいる。

その違いは何か?

売れている人は、マーケティングの考え方を理解してそれを行なっていると言います。

つまりマーケティングとは「頑張らなくても売れる方法」を整理して誰もができるようにした考え方のこと!

第8章 古本屋がふつうの本屋より儲かる理由
マイケル・ポーター「5つの力」と「競争戦略」


が面白かったです。

ブックオフの成長の理由を2つ挙げています。

まず第1に、ブックオフは本の価格が安く、本の品揃えも普通の本屋に引けを取らないこと。

新刊本にこだわらないお客さんにとっては、メリットですよね。

第2に、店頭で本を査定するときは主に「書き込みや折り曲げがあるか?いつの本か」だけだそうです。

バイトでも楽に査定できるので、人件費の削減につながるそうです。

それでは、儲けるためにはマーケティング的にどんな手を打てばいいのでしょうか?

競争戦略の第一人者である経営学者マイケル・ポーターが提唱した「5つの力」というフレームワークに、ブックオフのビジネスモデルを当てはめて考えていきます。

5つの力では、市場関係者を「買い手」「売り手」「新規参入業者」「代替品」「同業者」の5つに分けます。


ライバルと自分の力関係をチェックし、どちらが強気に立てるかを分析していきます。

ポイントは相手にとって自分がどのくらい「オンリーワン」の状態かを見ることだそうです。

①~⑤までを要約してみましたので、順番にご紹介します。

①買い手

ブックオフは本を安く買いたい人にとって、安くて品揃え豊富なうえ、便利な立地にあり行きやすい。

他の似たような店がないため、ブックオフがほぼ唯一の選択肢となります。

買い手は言い値で買うしかなくなり、ブックオフは強気に立てる。

②売り手

昔は手軽に大量の本を買い取ってくれるのはブックオフがほぼ唯一の存在でした。

今は状況が変わり古本を得るには様々な選択肢があります。

オークションサイトやアマゾンの中古市場なども。

時代とともにブックオフが唯一の存在ではなくなり、売り手がより簡単に本を売れるように出張買取サービスを始めるなどしています。

③新規参入業者

これから、古本屋を始めたい業者は、安さと品揃えではブックオフに太刀打ちできません。

つまり「安さと品揃え」以外の分野で勝負するしかないため、ブックオフは強気に立てる。

このように新規参入しようにも相手が強くて参入できない障壁を参入障壁といいます。

④代替品

代替品とは、別業界でお客さんのニーズに応える商品やサービスを指します。

ブックオフの場合、代替品はヤフオクやメルカリなどのオークションサイトや、アマゾンの中古市場などのネット通販ショップがこれにあたるそうです。

ブックオフはかつてネットで本を売ってこなかったので、対策としてオンライン事業を立ち上げたりしています。

⑤同業者

古本屋業界の中では「安さと品揃えで強いブックオフ」と「専門性に特化した他の古本屋」とで棲み分けが行われ、競争を回避しています。

ここまで、5つの力により分析されました。

本著では、かつてのブックオフは市場関係者との競争をたくみに避けることで成長し、儲けてきたことがわかると指摘。

さらに、競争状況の変化によって打つべき対策が見つかるといいます。

ふつうの本屋さんが儲からない理由も5つの力で分析されています。

このように巷のサービスを5つの力に当てはめて考えてみると、マーケティング感覚が身につきますね。

とてもわかりやすいので、マーケティング入門的に読んでみるのもおすすめです!




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