数学ギョウザ

 食べることで違う国の言語を即座に理解することができるコンニャクがある。
 その摂取時の脳内の化学反応を解析し、数学に応用したのが数学ギョウザである。肉まんでもシューマイでもない。ギョウザなのである。
 食べると数学の問題を解くことができる。
 もちろん限界はある。小学生にリーマン予想は解けない。
 ならばとある数学者が数学ギョウザとともにその懸賞問題に臨むと、彼は踊り出してしまう。他の者たちもそうだ。
 あまりに数字に強い者が餃子を食べると、踊り出してしまうらしい。
 彼らは世界中のダンス大会を総なめにした。一位二位三位が数学者だったということもある。
 ダンサーや舞踊家たちは悔しがって練習を倍にしたが、彼らに勝つことはできなかった。海外アーティストのバックを踊るのはいつも数学者たちばかり。
 踊り子たちは数学を始めた。
 幸い先生はすぐ近くにいる。
 かくして踊りで食べていきたい者は数学を学び、数学を学ぶ者はついでにダンサーになった。

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