バナナ数学
バナナを細切れにして算数の問題を解く計算法をバナナ算数という。
バナナは千切りやすくまた安価で美味しい。
計算が終われば食べればいい。酷使した脳の栄養補給にもなる。
まさに万能メソッドである。
それを数学の世界に転用したのがバナナ数学だ。
難点はある。計算が複雑になり、証明や抽象化が進む中、数本のバナナでは太刀打ちできない。中学までは何とか一房で解けるが、高校、大学、研究者となるとどれだけのバナナが必要になることか。
数学者たちは基金を設立し、数学用の農地を海外に求めた。
その行為を人々はバカにした。パソコンだってあるじゃないか。計算は紙に書けばいい。
そんなこと当人たちが一番よく分かっている。
だが世の中には水中でアイロンがけをする者もいる。サッカーや野球なんてただの玉遊びだろう。こっちはバナナで数学をするだけだ。何が悪い。
嘲笑を浮かべた人々は去り、かくてバナナと数学者が残される。
こうして文化は生まれる。
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