1億円の低カロリー

 今年も残すところあと三日。
 恒例の低カロリー一億円賞が発表される。 
 32人の億万長者がエントリーされている。
 シーズン30球で優勝したクローザーとか、世界戦3パンチKОのボクサー、あとは宝くじや相続、株、発明なんかが大半だ。
 たしかに彼らは低カロリーで一億円を得た。
 でも受賞することはまずない。スポーツ選手はその存在自体高カロリーだし、相続は親が高カロリーだ。宝くじは買いに行った時点で高カロリーなのである。この賞が求める低カロリー基準は満たしていない。
 前年はテレビをつけたら一億円が優勝した。まあギリギリだがそれくらい低カロリーでいてもらわなくては。

 ということで今年の受賞者はなしだった。
 と思ったが、開始十分前になって現れた相撲取りが受賞した。
 彼はさっき外国為替を始め、すぐ一億円失った。これよこれ。まさに脂肪も冷え込む低カロリーっぷりである。

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