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大林宣彦の「ふたり」、草の想い

 新尾道3部作の第1部「ふたり」のテーマ曲「草の思い」

 久石譲ら友人達と一緒に、大林監督が自ら歌う心に染み入る歌。

 大林宣彦監督は好きな映画監督の1人だが、中でもこの映画は好きな映画だ。

 氏の映画は遊び心に溢れていて楽しいし、この映画では氏が作詞したテーマ曲まで自ら歌うという多才ぶりが窺える。しかもその少し枯れた甘い歌声が心に沁みいるのだから頭が下がる。久石譲も一緒に歌っているが、その彼の曲作りも素晴らしい。

 ミカが入浴している所に初めてチズコが現れるシーンでは浴槽の縁に腰掛けたチズコがミカにお湯をかけようとするが幽霊にはお湯は掬えなくて手をジッと見つめるチズコ。

 ラストのタイトルバックに映るミカが坂道を登って行くシーンでは、その後ろ姿が途中からチズコの後ろ姿に変わるというニクい演出。

 「ふたり」は1991年の作品。30年以上前の作品だ。映画はこうして何年も残され鑑賞し続けられる。

 亡くなられたのは残念であるが、良い作品を残してくれた氏に感謝する。

 ありがとう




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