小麦の収穫と森で作る鰹の藁焼き
こんにちは。マナブです。コダマノモリで里山暮らしをするりんさんから「小麦の収穫をするよ!小麦の種は神秘的でいいよー!おいで!」と連絡がありました。
グルテンレスな古代小麦「スペルト小麦」
「ここにいるからね!」とスマホアプリのマップで畑の場所を教えてもらいますが、目印がなにもないただの畑を見つけるのは一苦労。
待ち合わせと言えば駅前やカフェなど誰もが分かる目印が頼りになりますが、山の中ではそういった便利な標識があるわけもなく。人通りの少ない1本道を周りを見渡しながらゆっくり走ると、遠くから大きく手をふるあんちゃんを見つけて何とか合流。
画像引用:mybest
この畑で収穫しているのは「スペルト小麦」。初めて聞く名前の小麦でした。
スペルト小麦は地球上で最も古い栽培穀物の1つと言われ、パン小麦の原種です。化学肥料・除草剤などはもちろん、人工的な品種改良も加えられておらず、病気や害虫、天候の変化に強い品種です。
分解されにくいたんぱく質のグルテンが少ない「=グルテンレス」な小麦としても人気らしく、収穫中のあんちゃんに「これで何を作るの?」と聞くと「何でもできるよ!パンとかクッキーとか!」と教えてくれました。素材があれば何でも作れる人はすごいなあ。
小麦の束をひねって柵に干す
収穫を手伝うぞ!と意気込んだものの、畑に着いたのは収穫がほとんど終わった頃。小分けにした麦の束を両手に持ち、グイッと前後にねじるようにして柵にひっかけていきます。
縛った紐が緩いと柵に掛けた際に麦がすり抜けてきちんと干せないのだとか。束をまとめぎゅっと縛ります。目の前で教えてもらえるこういうテクニックは見ていてとても面白い。
「田んぼの中でみたことあるやつだ!」と眺めているとあっという間に小麦を干し終えて、今日の作業はここまで。
高知名物「鰹のタタキ」を森の中で
日が傾きかけた夕暮れ時。今晩は鰹のタタキを作るとのこと。
以前、高知のひろめ市場に行った時に美味しい鰹のタタキを食べたことがあります。藁の煙をもくもくと焚きながら炙り上げたカツオの美味しいこと。本物の味に「市販で売られているパックの鰹のタタキとは全然違うなあ」と舌鼓を打ったのを覚えています。
あの味がまた食べられるのはとても楽しみ。わくわくしながらりんさんが捌いていくカツオを眺めます。
1本のカツオがあっという間にブロックに解体され、串を刺していきます。「蒲焼みたいに焼くんですね?」と尋ねると、「網で焼くと身がくっつくから」とのこと。串刺しにした鰹を持って火のついた藁の上に持っていきます。
網焼きよりも串焼きで豪快に
藁の隙間からもくもく上がる煙でカツオを燻します。香ばしい藁の香りにうっとり♪、、とはならず、燃え上がる炎と決死のやり取り。両手にもった鰹の串刺しを煙に近づけては離し近づけては離し、、、中まで火が通らないように加減しながら炙り上げます。
串から外し、肉厚に切ったカツオにスライスした玉ねぎ、にんにくをのせれば鰹の藁焼き完成です。
ふんわりと香ばしい藁の香りに、ふっくらと美味しい鰹の風味。贅沢にカットした肉厚な食感はとろけるような柔らかさ。美味しさに箸がとまりません。手作りの味は絶品で、みんなで食べれば一層美味しく、森の中で食べるとなると余計美味しく感じられるのが、大自然の不思議な力なのだと感じました。
ひぐらしの鳴く声にノスタルジーを感じる夏の夕暮れ
この日はセミの音が一段と響いたような気がします。突き抜けるような真夏の空にシンシンと響くひぐらしの鳴き声。街中で聞こえるとあんなに五月蠅く聞こえるセミの声ですが、森の中で聞くと不思議と神秘的なBGMに。森の奥から流れてくるセミの声にうっとりと聴き耳を立てていると、「明け方も素敵だよ」と教えてくれました。
「大自然に囲まれて迎える夏の朝かあ」なんて考えていると、ふと子供の頃の夏休みを思い出しました。早起きした日の夏の朝は必ず何か素敵な出来事があったはず。友達の家に泊まったことや、早起きしてカブトムシを探しに行ったこと。田舎のおばあちゃんちで迎える朝もこんな景色だったな。自然の音色に誘われて、なんだかノルタルジーな気持ちになれた1日でした。
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