ハンモックからアウトドアチェアまで!蝋引き帆布の作り方を教わりました。
「魔法の布」を学びに森へ。
こんにちはマナブです。森に暮らすりんさんからLINEが届きました。
「帆布の蝋引きやります。1枚の帆布でチェアにもハンモックにもなる魔法の布の使い方を教えるよ」
帆布は知ってる。だけど「蝋引き」って何かしら。どちらにせよ一つのモノで複数の使い方が出来る便利グッズを作るみたい。アウトドアグッズ好きな私は、妻と一緒にりんさんの暮らす「コダマノモリ」へ向かいました。
グッズ好きな私には耳が痛い言葉
「アウトドアの真髄は一つの物で百使える用途」と話すりんさん。ついグッズを買いすぎてしまう私には耳が痛い言葉です。頑丈な素材に豊富なカラーバリエーション。期間限定にコラボ商品。軽量化にエコアイテム。どれも魅力的なワードでつい買いたくなってしまうのがアウトドアグッズ。
だけど、本来は一つあれば知恵とスキルで何通りも使えるのが本当の意味でのアウトドアグッズ。筋書きのない大自然と向かい合った時に、「この場合はあれが必要なのにっ!」だなんて言っていられないはず。「一つあれば対応できる」という考え方こそ、アウトドアライフに不可欠な要素なんだと思う。
火を起こして蝋を溶かす
まずは薪割から。この森でのモノ作りは大概この作業から始まります。大きな薪から小さな薪をつくり、燃え上がった炎の熱で刻んだろうそくを溶かします。そこにオイルを入れてしっかり混ぜ合わせたら容器に入れて冷まします。オイルを混ぜることで、帆布に塗ったときに柔らかくなるのだとか。蝋だけだとカチカチになるそうです。これで蝋引きの蝋が完成。
古い道具は直せるようにできている
蝋が固まる間に帆布の裾を縫います。これで布がほつれにくくなります。ミシンを使おうとするとトラブル発生。年代物のミシンが動きません。頭にヘッドライトをつけミシンを分解するりんさん。
「古いものは直せるように出来ている」と、茶碗に入れた油と歯ブラシをもってきてパーツを分解し、磨いて汚れを落としていきます。元気になったミシンで裾を縫えば帆布の処理完了。
帆布に蝋引きをします。
広げた帆布に蝋を塗り込んでいきます。蝋引きってこういう事か。ろうそくで線を引くことかと思ってたわ。スノボーの板にワックスを塗る容量でどんどん塗っていきます。その上から直にアイロンがけをします。
「これやると、アイロンがダメになるんよ 笑」
とりんさん。アイロンにこびりついた蝋は後で削り落とすそうです。
両面にワックスを塗りアイロンがけをすれば、アウトドアで大活躍する魔法の帆布の完成!
蝋引き帆布、3つの使い方を教えてもらいました
1.帆布のレジャーシート
まず最初に教えてくれた使い方はレジャーシート。草むらの上に大きく広げ、帆布の上であるちゃんを遊ばせます。
レジャーシートと言われ、頭に浮かんだのが運動会や花見で使うナイロン製の敷物。毎回イベント毎に買っていたような気がするアレ。あの時買ったシートはどこにしまったかな。。それくらいの存在で使い捨てているレジャーシート。ワンシーズン毎に買っていたものがこの帆布になれば、愛着をもって長い間使えそう。
木を取りに森の中へ。
「木を切りに行きます」と向かったのは近くの森。
これから作るハンモックやアウトドアチェアに使うそうで、180センチほどの長い木3本、短めの木1本をカット。取ってきた木にロープをくくり、スタンドを作ります。
2.ハンモック
地面にペグを打ち、もう片方は車の金具を使ってロープを固定。森の木を突っ張り棒にしてロープをピンと張ればハンモックの出来上がり。
穴やフックのついていない頒布を、2本のロープで両端をしばるだけで体重を支えられるんだからすごい。ロープワークってすごいんだな。
3.アウトドアチェア
ポールの上部分をロープで結び三脚を作ります。半分に折った帆布の片方をロープで結び、その結び目と三脚をくくり付け、折った帆布に木の棒を通して固定すればアウトドアチェアの完成。ポールの位置を調整すればリクライニングも出来てとっても快適!なにより見た目がかわいらしいです。ポールと布、ロープ(とロープワークの知識!)があれば、どこでも簡単にアウトドアチェアを作ることが出来ます。
ちなみにこの3脚にチェーンを巻いてフックを付ければ、焚火台トライポッドにもなります。
最後は美味しいちゃんこ鍋で〆!
本日の食事は具沢山ちゃんこ鍋。鍋を火にかけながら、りんさんが木の枝を彫っています。
これは鍋を吊るすフック。等間隔で切り込みを入れ、鍋を吊るす位置を調整しながら火加減を変えられる優れもの。
枝の部分を活かして鍋を吊るす。まさに自然のサポートあって美味しいごはんが食べられるというわけです。
具沢山のちゃんこ鍋は、もうほっぺたが落ちるほどおいしい!何倍もおかわりしました。
豊かな自然と人の技。りんさんは10年前に作った蝋引き帆布をリペアしながら今でも大切に使っています。帆布を見せてくれながら「これにはいろんな思い出があるんよ。捕ったシカをこれで包んだりね」と、話してくれました。
物に溢れる時代。物がありすぎて、どんなグッズを買ったかも忘れそうな私のそばで、1枚の帆布で出来た沢山の思い出をニコニコ笑顔で話すりんさんがうらやましくなりました。
手作りの奥深さと愛情を感じられた素敵な1日になりました。
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