自分が「無能な働き者」かもしれないから本気で改善しようと思った話

 ある日、以下の文章に出会った。

「有能な怠け者は司令官に、有能は働き者は参謀にせよ。無能な怠け者は、連絡将校か下級兵士にすべし。無能な働き者は、すぐに銃殺刑に処せ」…ゼークトの組織論
引用元: https://hataractive.jp/useful/2338/

 元ネタはドイツ軍人の発言とされているが、内容のインパクトからネットスラングとしても広まっているらしい。
 ここでは詳しく説明しないが、4タイプで最も「いらない子」扱いされているのが無能な働き者だ。的確な判断ができないのに行動力ばかりあるので、組織にいない方がマシという理屈である。

 4月の人事異動で環境が変わり、労働時間は改善したが注意指導を受けることも増えたため、もしや自分にも当てはまるのではと不安になった。

 ここでは、自分の抱える問題を整理して対策を考えたい。

■そもそもの話

 色々調べたところ、無能な働き者、という言葉だけが一人歩きしている感がある。転職サイト等で取り上げられる「特徴」とやらも、各サイトで好きに定義しているのか、確認できた限り5〜11個と振れ幅が大きい。そもそも元ネタ自体も発言者がハッキリしない。
 こんな曖昧な言葉であるからして、各々が戒めとして心に留める分にはよいだろうが、他人に対して安易に使ってはいけない言葉だと感じる。
 都市伝説としての考察は、下記ニコニコ大百科の記事が詳しい。↓

https://dic.nicovideo.jp/t/a/無能な働き者

 とはいえ、せっかくの機会なので自己分析はしてみようと思う。

■杞憂で周囲を振りまわす


 自分は「無能な働き者」かもしれないと感じたのは、主に不安感が原因だ。不安を払拭するため、時に周囲を巻き込んで突っ走ってしまうのだ。

「常に最悪の事態を想定しよう。」

 ビジネス書でも取り上げられるフレーズで、うまく使えばリスク回避等に役立つ考え方だ。
 しかし私の場合、無意識にこの思考に陥るクセがあり、キャパオーバーを起こしやすいのである。結果として取りがちな行動とその原因、試したい対策を以下に挙げてみる。

■無能な働き者(?)の理屈

①聞かれていない事まで説明する
 特に突発的な応対でやりがちである。話が長い、わかりづらいと言って相手は困惑するし、気付けば会話がループしたりする。善意で伝えた事が藪蛇になることも。
 事前に準備できればある程度対策可能だが、時間があったらあったで②に繋がる可能性もある。

原因
 知識不足+口下手。自分が要点を絞れないパターンと、相手の意図を読み違えているパターンがある。

試したい対策
・メモを取りながら話し、会話の進行状況を把握する。
・電話なら折り返すとか、可能な範囲で準備の時間を与えてもらう。

②必要以上の備えをする
 問合せや上司への説明の際など、当初の質問+αの想定問答を準備してしまう。準備に時間をかけ過ぎて「今それ必要?」等と指摘されることも。

原因
・予め不安材料(聞かれたら答えられない)を潰しておきたい発想。

試したい対策
・発想の切り替え。全ての不安に備えるのは不可能、追加の質問にはその都度対処すればよいと割り切る。
・準備に要する時間を決めておく。

③杞憂だと指摘されても納得できない
 報連相すると「考えすぎ」「そんな事より他の仕事をしなさい」と言われることも。しかし、切り替えられず悶々と考え込んでしまう。
 また「別にやらなくてもいい」と助言された事を、禁止はされなかったと解釈して、結局手をつけてしまうことも。

原因
 優先順位をつけるのが苦手。また「なぜ不安に思ったか」を汲んでもらえないと感じるため。

試したい対策
・細部に囚われ過ぎないよう、仕事の全体像を把握する。重箱の隅を突くより料理を平らげるほうが先である。
・考え事を紙に書き出してみる。

■自分で自分を忙しくしないために

「不安ならとにかく行動してみよう」

 世の中猫も杓子もこう説いているが、私の場合、どちらかと言えば不安なまま取った行動は裏目に出やすい。何とかしようと汗をかいた結果、誰も幸せにならないって、こんなに悲しいことはない。

 色々振り返ると完璧主義というか、他人を当てにしたくない心理というか、なんでも自分でやろうと意気込んでハードル上げているのが不安の原因なのかもしれない。
 一人で運転できるに越した事はないけど、がむしゃらにアクセルを踏むより、時に冷静にブレーキを踏んだり、運転を代わってもらう方がよい場面だってあるのだ。

 極論、仕事は他者に与えられるか、自分で産み出すかのどちらかだ。なるべく余計な仕事はしない方がみんなの為になるに決まっている。そのために、私は上記3つの考察に加えて、以下の事を心がけてみたいと思う。

・やらなくていい事や、頑張らなくていい事を決めてみる
・もう少しチームの目線で仕事をしてみる、組織を頼ってみる

■最後に

 無能な働き者の特徴として「プライドが高く誤りを認めない」「反省しない」こと等が挙げられるという。このページを読む人には「自分も無能な働き者かもしれない」と考え、危機感を抱いている人もいるだろうが、そういう意味ではすでに条件から外れていると言えよう。
 自分はこうだ、と思うことを羅列しただけの記事だが、少しでも悩める皆様のヒントになるものがあれば幸いである。また、不安に襲われたとき、冷静に立ち止まれるような助言があれば、ぜひご教示願いたい。

■参考になりそうな本

▼気にしない練習―――不安・怒り・煩悩を「放念」するヒント
https://www.amazon.co.jp/dp/B00QV80MRQ/ref=cm_sw_r_cp_awdb_X4388SWTV7YBJM145ENR

▼しないことリスト
https://www.amazon.co.jp/dp/B01CCYZV78/ref=cm_sw_r_cp_awdb_J6HN2XD1ADE244A93X9Q
上2冊は一度手放してしまった本だけど、これを機にもう一度読んでみたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?