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偏食王との戦い

火の玉ストレートの影に

元プロ野球選手で、NPB阪神タイガースやMLBでも活躍された藤川球児さんの妻である藤川英子さんが、アスリートの妻として夫を食から支えてきた体験談やその中で生まれたアイデアレシピがまとめられたコミックエッセイです。この本は

・アスリートである自分や家族、身近な人の食について学びたい人
・家族など身近な人の偏食に対して解決策を求めている人

このような方におすすめです。

アスリート食の話だけではない

プロ野球選手の妻による、食に関する本ということで、自身や身近な人が何かしらのスポーツの競技者だという人向けの本かと思われるかもしれませんが、この本は少し事情が違います。この本には、極度の偏食家であった藤川球児さんに食の楽しみを感じてもらおうと奮闘した英子さんのアイデアが詰まっています。

球児さんは野菜など食材の好き嫌いに加え、味付けも好みでないものについては食べられないなど、かなりの偏食ぶりだったようです。一般的な生活でも偏食による栄養の偏りは問題ですが、プロのアスリートとしては致命的です。もともと線の細かった球児さんは、監督やコーチからも体を大きくするよう言われていたようですが、これでは強い体を作り上げることは不可能でしょう。

しかし、多くの方がご存知の通り、球児さんはアスリートとして素晴らしい肉体を作り上げ、代名詞となる「火の玉ストレート」を投じることができるまでになりました。ここに至るまでに、妻・英子さんの献身的な支えがあったことは想像に難くありません。

ジュニアアスリートと関わる身として

我が家には3歳になる息子がいますが、幸いなことに偏食の気配がまるでありません。それなのに僕がこの本を手に取ったのは、もちろん阪神ファンで藤川球児さんが好きだからということもありますが、やはりソフトテニスのコーチとして子どもたちに関わっているから、というところが大きいです。

子どもたちや保護者さんと話していると、好き嫌いの話をよく耳にします。僕も小学生ぐらいのころはそれなりに好き嫌いがあったので、それ自体を責める資格はないと思っています。それぞれに嗜好があるのは当たり前のことです。

ただ、それでも子どもたちにバランス良く栄養をとって、食べることそのものを楽しめるようになってほしい。同じ思いを持ちながら頭を悩ませている保護者さんの助けになれるものを少しでも得たいと思って、この本を読んでみることにしました。

偏食に悩む前に

この本は、コミックエッセイです。ポップなイラストと写真を織り交ぜながら進んでいく構成は、気軽な気持ちで読み始められるハードルの低さがあり、まずはそこが魅力だと感じます。

内容はどうかといえば、偏食が激しすぎた結婚当初の工夫から、徐々に偏食が改善されていく球児さんに合わせて英子さんの工夫もステップアップしてく様が綴られており、読む人の身近な“偏食さん”の状況に合わせて参考にできるアイデアを探して読むことができると思います。

本書から英子さんの言葉を引用すると

食事は 体はもちろん 心の栄養にもなる

まさにこの通りだと思います。今、偏食に関わる困りごとのある方は、一度手にとってみられてはいかがでしょうか。

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