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作為的な情報があふれる現代において

様々な情報が手にしやすくなった現代。この記事を書いている現在は、検察官の定年延長に関する法案について世の中で賛否の議論が交わされています。そんな中で、自らの目に耳に入ってくる情報について判断して受け取ることができるようになりたいと思い、津田大介氏の著書「情報戦争を生き抜く 武器としてのメディアリテラシー」を手に取り読みました。

情報が世を動かす

上述した検察官の定年延長問題も、法案についてはずいぶん以前から検討されており、暫定的処置として黒川検事長の任期を半年延長する決定が出されたのは2020年1月末のこと。それが今になって、新型コロナウイルスの混乱の中にあっても世の中を騒がせているのは、ひとえにSNSの力が大きいといえましょう。「#検察庁法改正案に抗議します」のタグをつけて拡散された画像を見て義憤にかられ多くの人が情報をさらに拡散しました。これについて、法案の可決により三権分立が保たれなくなるという主張もあれば、そのようなことにはならないという主張もあり、どの情報が的を射ているのか判断も難しい状況にあると思います。かといって、わからないから無関心という姿勢も取りたくない。

情報戦争とは、また言いえて妙だと感じます。メディアの発達した現代、情報操作はより複雑化しているのでしょう。まさしく戦争でも情報戦は行われますし、民主的戦いである選挙においても候補者の主義主張のみならず作為的な情報が多く発信されます。トランプ大統領のロシアゲート疑惑などその最たる例でしょう。

5つの検証

本書では、プラットフォームの責任、情報汚染の正体、紙メディアの使命と倫理、フェイク、ヘイトの5つのテーマについて扱っています。各テーマについて直近のものから過去のものまで時事を検証し、最終的にいかにして情報戦争を終わらせるべきかというところにまとめられています。津田氏の論では①技術②経済制裁③発信者情報開示請求の改善④報道の4つの手段をもってしてはどうかと提案しています。

無知の恥

本書を読んで、まず普段何気なく利用しているSNSやプラットフォームについて過去様々な問題が発生していたことに驚きました。もちろん何の問題もないとは思っていませんでしたが、なんとなく改善されながら運用されているんだろうな、ぐらいの認識でいました。何気なく目にしている情報が、どこかの誰かの操作により誘導されていたものかもしれないということに一定の恐怖を覚えました。知ることで、備えて判断することもできる。よい学びになったと思います。


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