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【読書】信念を見つめなおし、迷路の外を目指せ

ヘムはどうなったのだろうか。自分の考えを変えることができず、現状に取り残されたままになった小人、ヘムは。考えを変えることができない人は、本当にそこからずっと動くことができないのだろうか。「チーズはどこへ消えた?」のその後。

かつての日常を取り戻すために動き出すヘム

ベースとなる物語「チーズはどこへ消えた?」については以下の記事に書いた。

単純で行動的なネズミ、スニッフとスカリー。変化に戸惑いながらも行動を起こしたホー。前作はこの2匹と1人が新しいチーズを見つけられるところまでの話だった。では、取り残されたヘムはどうなったのか。ヘムは新しいチーズを見つけられなければ自分が飢えて死ぬという瀬戸際に立ってやっと、まずは「かつての日常を取り戻す」ための行動を起こす。それはかつてと同じ方法でかつてと同じようにチーズを探す行動であったが、やはりうまくいかない。ヘムはホーが迷路の壁に書き残したメモをいくつか見つけるが、それを見ても自分の考えをすぐに変えることはできなかった。そんな中、ヘムは迷路の中でホープという女の小人と出会う。

チーズを知らない小人

ホープはチーズを知らなかった。ホープは迷路の中で赤くて丸い果物、リンゴを見つけて食べていたが、ヘムたちと同じように徐々にそれが少なくなりついにはなくなってしまったという。ヘムはリンゴを「赤い石」だと思って食べようとしなかった。しかし、ついには空腹に負けてリンゴをかじってみると、それは確かに食べられるもので美味しく元気が出た。そこからホープとのやり取りを経る中で、2人はチーズとリンゴを一緒に探しに行くことになる。

ヘムの見た夢

なかなか見つからないチーズとリンゴ。ある日、ヘムはかつての日常の夢を見る。しかしその景色はかつてと少し異なっており、ヘムだけがいるその世界は鉄格子に囲まれていた。ヘムは、その姿が「変えられない信念」にとらわれている自分自身だと気づく。そして、ホープの「迷路の外には何があるんだろう」という問いかけをきっかけに、2人は迷路の出口を探す行動に出るのだ。

ヘムの教訓

ヘムは、ホープとの出会いから得られたことを迷路から出る方法としてまとめている。

・あなたの信念に気づこう―信念とは、あなたが真実だと信じる考えのことである。
・あなたが考えたことすべてを信じてはいけないー「事実」はあなたのものの見方にすぎないときもある。
・役に立たないことは捨て去ろうー古い荷物を持って新しい探索に乗り出すことはできない。
・迷路の外に目を向けようーありそうにないことも考慮してみよう。不可能なことも検討してみよう。
・新しい信念を得ようーあなたが考えを変えても、あなたはあなたである。
・あなたが信じることに限界はないーあなたは自分が考えるよりずっと多くのことを行い、経験し、楽しむことができる。

問題の出口が見えないとき、一度問題そのものではなく自分自身に焦点を当てて考えてみることは有効だろう。ヘムの教訓は、迷路から出られない多くの人の役に立つものである。


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