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うちやまつり(深津篤史/桃園会)

桃園会の深津篤史さんの代表作で、岸田戯曲賞受賞作。
いつだったか忘れたけど、精華小劇場で再演だか再々演だかを観劇した。戯曲は岸田戯曲賞受賞時に刊行された初演版。

不思議な戯曲としかいいようがない。一度読んだだけでは正直よく分からない。
明確なストーリーがあるわけではない。大きな事件も起こらない。ただ、散在するよく分からない会話を行き来するうちに、いつのまにか劇世界が構築されている不思議。
立て続けに二回読んだけど、二回ともぬるっとした読後感が残った。
きっとこれは上演されて初めて完成する戯曲、それもやはり「桃園会」がやって成立する戯曲だったんだなあという気がする。

戯曲の最後、上演記録に荒木千童さんの名前を見つけて思わず涙。
いまやお二人とも泉下の客。
深津さんとは一度だけ、千童さんとは二度お会いしたことがある。お二人ともあまりに早すぎて、いまだにどこかでお芝居されてるようにしか思えない…。

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