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[日本劇作家協会]戯曲アーカイブ

Twitterで話題になったのですでにご覧の人も多いと思うが、突然すごいサイトができてた。

[日本劇作家協会]戯曲アーカイブ
https://playtextdigitalarchive.com

日本劇作家協会所属の劇作家たちが戯曲を無償公開してるサイト。上演には許可申請や使用料が必要だけど、読むのは無料。
新しいものから古いものまで結構幅広く収載されてて、戯曲マニアな私としては、テンション上がりすぎて昨日夜中の3時過ぎまであれこれ見てしまった。
ただ、つい最近お金出して購入したばかりの戯曲の同じバージョンが無料公開されているのもいくつか見つけて、おぅ…となったりしたけれど…。

耳が聞こえなくなってからというもの、劇場に足を運ぶハードルが極端に上がってしまった。
知り合いが出ていたり、またはどうしてもみたときは劇団へお願いして事前に台本を貸してもらって、頭に叩き込んでから劇場へ行くこともある。しかし、事前に台本を提供してくれる芝居は多くないし、商業演劇では役者やスタッフに知り合いでもいない限りほぼ断られる。
結局、観たいなと思った芝居も、劇場へ行かず、DVDと戯曲の発売を待って購入することが多くなった。戯曲が出なければ、結局観ないままになってしまうものも多い。

戯曲と芝居は別物だけど、戯曲があることで芝居を楽しめる身としては、こうして戯曲というものの間口が広がるのはありがたい。

掲載戯曲はいろいろで、出版していない作品を選んで載せてる作家もいれば、発売中の代表作を載せてる方も。
作家さんが自分の作品をどこで売ろうがタダで公開しようが作家の自由なのだけど、ついこないだまで「買ってね買ってね!」と宣伝しまくった矢先に無償公開されたら、お金出して買った人は「えっ」となるし、次は買わなくなるよな…という心配は少しあるけれど…。

個人的に、戯曲は芝居と同じく作家さんの作品なので、ちゃんとお金払って読みたいと言う気持ちが大きい。
時々、公演前に貸していただいた台本をお返ししようとすると、差し上げますよと仰っていただくこともあるのだけど、そんな場合でも、後日戯曲が発売された時には、ちゃんとお金出して買うことにしている。

それはさておき…
とりあえず、鴻上尚史さんが「朝日のような夕日をつれて2014」を公開されてたので読んでみた。
第三舞台大好き人間としては、過去の朝日の戯曲本は全て持っている。ちなみに上演は大阪公演を観たのだけど、当日開演前に物販で戯曲が売られていたので即購入し、開演前にネタバレを読むという客としてあるまじき予習をして本番に臨んだ。
白水社から出版されてる朝日2014の戯曲は、実際の上演内容に合わせてリライトされているのだけど、こちらの戯曲アーカイブでは、稽古段階で使用した台本がそのまま公開されている。
実際に上演された芝居のどこが台本の指定で、どこが稽古場で作られたシーンなのかがよく分かって面白い。
……相変わらずマニアックだなあ(私が)。

他にもわかぎゑふさんの「お正月」、横内謙介さんのきらら浮世伝など、読みたかったものをいくつか読んだ。
そして最近よく思うのが、いまだについ自分が演じる前提で読んでしまうけれど、戯曲って純粋に見る側の視点で読むと、また違った面白さがあるんだなあってこと。配役は知ってても知らなくてもそれぞれ面白い。配役が分かっている場合なら、実際この役者さんはどんな風に演じたんだろうと想像しながら読めば、役者さんの声で台詞が聞こえてくる気がするし。配役を知らずに読めば、キャラクターを自分の中で組み立てていく楽しさがある。
こういう芝居の楽しみ方というのもあってもいいよなあと、最近は思えるようになった。

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