少年社中25周年記念公演ファイナル「テンペスト」
少年社中25周年記念公演ファイナル「テンペスト」観劇。
社中久しぶりの大阪公演。
25周年おめでとうございます&大阪へおかえりなさい。
いやーなんとも社中らしいというか。観てるこっちがこっ恥ずかしくなるくらいの「ザ・演劇」でした。
こんな劇団、現実には存在しないよねえ……。
「演劇で人を幸せにしたい!」だの「俺のライバルはお前だけだ!」だの、今どき高校演劇でも言わないようなド直球な台詞のオンパレード。
そんな台詞を、こんな大劇場で、演技力も貫禄もそれなりにある手練の役者が言うと、普通はもう観てるこっちがこっ恥ずかしくなるもんだけど。
そのド直球を恥ずかしいと感じさせない妙な説得力が、社中らしいと言えば社中らしさなんだなあと思うけど、やっぱり最後はなんかこう、背中がむず痒かった。
……と思いながら一緒に行ったダンナを見ると、目真っ赤にして号泣してた。そうか、演劇に関わりのない人が見たら素直に感動できるのね。ー
でもこういう芝居、役者は気持ちいいだろうなあ……とは思った。ちょっと羨ましい。
出てきた瞬間からどす黒いオーラを全身に纏ってた井俣太良さんの狂気と泥臭さと、それでもなぜか人を惹きつける魅力。
「天才役者」という役を与えられて、最初のサスを浴びた瞬間に、完全に舞台を自分の空間にした鈴木拡樹さんの圧倒的存在感。
そして久々に拝見した大竹えりさんの、めちゃめちゃキュートなのに、その裏に見え隠れする底知れぬ深み。「天才役者」といえばこの方も天才の部類に入るんじゃないかと思う。
この3人が舞台上にいる時のワクワク感がハンパなかった。
あと、これは完全に個人的感慨。
早大劇研のエピソードをがんがんにぶち込んでおいて「バイク事故で死んだ天才役者」なんて言われたら、嫌でも第三舞台の岩谷さんを想ってしまう。
世代的に、毛利さんが岩谷さんと面識があるはずもなく、毛利さんがこの設定を選んだのはきっと偶然なのだろうけれど。
ただ、私はこのくだりに、第三舞台と少年社中という、時代も、作風も、たどった道もすべてが違う、でも同じ場所の記憶を共有する二つの劇団を重ねてしまったよ。
30周年は本当に「夏の夜の夢」やるのかしら。
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