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Be yourself〜立命の記憶I~⑭

朝、目が覚めたのは4時半頃。
昨日10時過ぎに寝たから、結構眠れたほうかも。二度寝する気分では無かった。


はーぁぁ、良く眠れたー、と同時に、お酒を飲んで忘れていた胸のドキドキというか胸騒ぎみたいなものが、取れない。

もぉぉぉぉー、また今日もかよー!!!


なかばキレ気味の私は、もうこうなったらとことん考えてやる!時間はあるし!少なくとも朝食の時間までは2時間くらいはあるし!と覚悟を決めた。

はい!そんで、えーと、私は彼の事が好きなんだっけ?


って、また、ここからかよ!って自分にツッコミを入れた。


そうだそうだ、ごちゃごちゃした頭を整理した資料があるんですよー、とプリントアウトして持ってきた資料をゴソゴソと出す。


ペンを持って、何かを書こうとするが、書くことが無い。もうだいぶ机上では結論出ているし。じゃぁ、私は何を書こうとしてペンを持ったの?

頭の中を、何か色んな気持ちとか、思いが駆け巡る。


だから、どうしたいのよ、私は。チューぐらいしたいワケ?あ、イヤ、そんなつもりはもうないな。あれ?私、落ち着いているじゃない。


あ、そうそう。別にチューしたいワケじゃない。チューしたいワケじゃない。うん。

おぉぉぉぉ、この結論にたどり着きましたか!さすが私!冷静になれた!
よし、この気持ちのまま行こう!よし!よし!忘れるな!

そう気合いを入れた私は、時計を見た。


5時半。この結論にたどり着くのに1時間かかっております。バカなのね、私。


おぉー、まだ時間あるじゃないか、素晴らしい。
せっかくだから、昨日見かけた公園にでも散歩に行ってみますかねー。
と、いそいそと出掛ける準備をした。

朝5時半のホーチミンシティは、車の数が少なくて歩きやすかった。
明るい日差しが、交差点に降り注ぐ。数台の車とバイクが静寂をさえぎりながら、通り過ぎていく。
あぁ、やっぱり朝日って素晴らしい。朝の散歩ってとても気持ちいい。

昨日、通った道はどこらへんだっただろう。
たぶん、こっちだったよな、と直感で、覚えている通りを確認しながら進む。
あ、ほらほら、覚えてるじゃん、私。

公園を目指して歩いていく。途中で、昨日エステの帰りにタクシーから見えた子供服やシルクのお店の前を通ったけど、閉まっている。当たり前か。


あー、お土産買いたかったなー、私が頭ポヤンポヤンのバカになっちゃってたから、しょうがないのかなー。

海外に行ったのに、お土産も買ってこないなんて、薄情だと思われないかな・・・。

でも、お土産無くても、私、みんなの事、本当に本当に大好きなんだけどな。これ、物以外で伝える手段ないのかな?


そう思っていた。


この時は、私、自分の才能とか、能力とかあまり気付いていなかったと思う。

とにかく、色々考え事をしながら歩いていた。
緑の多いほうを目指しながら、ひたすら歩いていた。


たばこが残り1本になっていたから、あんまり公園に長居するのはヤダなぁ、と思った。
というか、結構歩いてしまったので、これ以上歩くと戻るのに時間が掛かりそうだったから、引き返そうかな、と思ったその時、交差点の角に、たばこの吸殻が詰まった灰皿があった。

その灰皿は、古くなったコンクリートの四角い塊の上に、無造作に置かれた空き缶だった。
しかし、その空き缶が、とてつもなく古い。
これ、もしかしたら、ベトナム戦争とかしてた頃からあるんじゃないの?っていうくらい古い。


大人一人が座るのにちょうどいい大きさの正方形のコンクリートの上側、真ん中に、真っ茶色というかほぼ黒っぽくなった古い空き缶が、くっついている。コンクリートとの境目が分からないくらいに。


空き缶の蓋は、一部を残して後ろ側に倒れたまま、コンクリートと同化していた。


どの時代に、誰が置いたんだろう。

とにかく、ものすごく古い時代から誰かが置き忘れたものを、今でもみんなが使っているという事実だけが浮かび上がる。

そうだ、私、旅をする時には、その国の歴史とかを勉強してから行ったほうが絶対楽しめると思っていたのに。


ベトナムの歴史も、タイの歴史も、全然調べずに来てしまった。


もしかしたら、あのエステの美人が教えてくれなかった、古いベトナムスタイルの傘の物売りらしき姿は、ベトナム人にとっては何か忘れたいような、言えないような悲しい時代の象徴なのかも知れない。
私、何も知らずに失礼な事をしてしまったのかも・・・。


もっと歴史を勉強しよう。世界の事を学ぼう。お互いの国の事をもっと理解できたら、もっとみんなが仲良くなれる気がした。


交差点のところで、たばこを吸い終わって、「私もベトナムでこの灰皿使いましたよー。空き缶置いた人、日本人も使ったよー、未来永劫仲良くねー。」と心の中で呟いて、さぁ!と顔を上げた、私。

あれ・・・・?どっちに帰ればいいんだっけ?
あらあらあら?
・・・・
・・・・
迷いました・・・。

いやいや、とにかく、来た道を戻ればいいでしょ!と、引き返す。
子供服とか、シルクのお店までたどり着く。


よーし、ここまで来れた。そしたら、ホテルの方向に歩けばいいもんね。せっかくだから別な道から行こう!


と、来た道とは別な道を歩き始めた。

まっすぐ行って、右に曲がって、と10分くらい歩いた時点でしょうか。
私、完璧に迷いました・・・。

あぁー!もうバカだな!私!
やっぱまだまだ、頭ポヤンポヤンのバカだな!

そうそう、こういう時は、googleマップですよ。OK、グーグル、ヘルプミー。
と、スマホを開く。
あれ?なんで現在地表示されないの?
ていうか、この赤いピンがついてるとこ、今日のお昼の待ち合わせ場所じゃん。
あれ?これホテルだっけ?いや違うな。ま、でも待ち合わせのお店はホテルから徒歩4分だからここに向かえば分かるか!
って、現在地が分からなーい!!!

あ、もう、これ誰かに聞こうっと。
と、向かい側の歩道にお店があって、20代~30代くらいの男性2人組と、女性2人組が、歩道に出した簡易的な椅子に座っていた。
私は、道路を渡り、安全そうな女性のほうに話しかけた。


「えーと、すみません、ここは何処(どこ)ですか?」と英語で話し、すぐ下の地面の指差して、スマホを見せた。地図を見せれば分かるでしょ。


と思ったのによ?


明らかに「知らん、分からん、話しかけるな」って顔。しまいには、シッシッって追い払われた。


えぇぇぇぇー、普通、こんなに冷たくしないでしょ?


なんで、なんで、私の何がイケナイの・・・、と凹んでいる場合ではない。帰れない。


私は、男性のほうに、話しかけた。
スマホをちゃんと見てくれている。


すると、立ち上がって、抜け道のところまで誘導してくれた。

この時、女性のほうが、「あんたなんでそんな事すんのよ。」的な事を彼に言ったように思う。言葉分かんないけど。


不思議だね、言葉分からなくても、感情って伝わるんだよね。


お昼の待ち合わせ場所の赤いピンに行くと思われたみたいで、「ここ真っ直ぐ抜けたら右」というジェスチャーをする。

「Thank you.ご親切にありがとうございます。」

と丁寧にお辞儀をして、お礼を言った。だって文句言われながらも、親切にしてくれるなんて、どんだけ優しいのこの男性。

スラっとした短髪の20代っぽいイケメンだったよ。

ま、私、男は顔で選ばないタイプなんだけど。ウチの主人はたまたま顔もカッコイイけど。

教えられた道を通ると、何やら工事だか、何だかの作業中の人達。

タンクからホースが出ていた。そのホースを、えいっとまたいで、大通りへ出て、右に曲がった。


ここを真っ直ぐ行けばいいのね、よしよし。

歩きながら、気付いたけど、至る所で、建物の工事をしているんだね、ベトナムのホーチミン。工事現場の作業服のようなものを来た男性と女性を多く見かけた。


綺麗なショッピングモールみたいなのもあったし、新しさと古さが混合している街だ。

今後は、もっと新しい建物が増えて、人々が豊かになっていくんだろうな。でも古い建物が無くなってしまうのは、寂しいなぁ、と思っていたその時。

目の前に美しい建物が現れた。

それは、まるで神がそこに住んでいるかのような、美しさ。
2階建ての重厚なゴシック調の横長の建物。
クリーム色の壁に、これでもかっていうくらい繊細な白い彫刻でできた装飾が施され、2つの小さな屋根の部分がレンガ色。色調が調和していて本当に美しい。


私は、思わず、息を飲んで、ため息をついた。

やもすると、ここの目の前に、テントを張って、住む事は出来ないかしら?私、永久に幸せに暮らせそう。というくらいの空気感。

あぁ、これは教会かしら?神が住んでいらっしゃいますよ、ここには。そう感じた。
(実際は市庁舎だった。)

あぁ、やっぱり私は空気が読めない人なのね、こんなところにテント張って住んでたら超迷惑だもんね。ただの変人になっちゃう。

その建物の目の前は大きくて、真っ直ぐな広場になっていた。


軍服のような制服を着た男性達が、私のほうをチラっと見た。あ、こんなところにテント張って住もうと思ったのバレちゃったのかしら。やっぱ私、危ないヤツだと思われてるな・・・。

ポワポワした頭なのが、バレないように、ちょっとシャンと背筋を張って歩き出した。


広場には、大きな銅像があった。ほほー、これは偉い人ですね、たぶん。
バカだから、歴史を知らない。ごめんなさーい、と思いながら、写真を撮った。ミーハーなのかな、私。

広場は、左に真っ直ぐ伸びていたので、自然とそちらに足が向いた。
両サイドには、大きな木が整然と並び、白くて真ん中が淡く黄色になった、プルメリアが、ところどころに咲いている。


モルディブ行った時に、お花ひとつ摘んで、耳に飾ったなー、と思い出して、取りたかったんだけど、高いところに咲いていて取れなかった・・・。残念。


どこか、プルメリアがひとつでも摘めるところを探して、真っ直ぐ歩いていった。

他の観光客らしき人達もいた。あぁ、ここは観光スポットなんだね。
広場の通りの真ん中のほうが気持ちよくて、そこを真っ直ぐ歩いた。


良かった、私、ちょっとは観光出来てるじゃない、と思って振り返ったら、
白人のファミリーが写真を撮っている。


あ、私、撮って上げましょうか?と声をかけようとしたけど、持っているカメラが一眼レフっぽくて、難しそうだし落とすと大変なのでやめた。

さーて、と前を向き直した時に気がついた。
あ・・・、また迷ってる私・・・。


いやいやいや、もう大丈夫よ、さすがに。とはいえ、一応googleマップを開いた。
自分の現在地が出ている!!良かった!もう帰れるぞ!

とりあえず、超違う方向に向かって歩いていたので、一旦戻る事にした。
来た道とは反対側のほうを歩いて。
信号機がある小さな歩道があったので、青に変わるのを待っていたら、後ろからおじさんが、柱についている青いボックスのボタンを押して、去っていく。


あ!渡る時はコレ押すのか!と気付き、後ろから「Thank you.Thank you.」とお礼を言った。

あー、やっぱりなんていうか、私ボーっとしてるんだね。何のせい?誰のせい?

まぁ、誰かのせいにしてもしょうがない。いや、するべきではない。

とりあえず、ボタン押して貰えた記念にボタンの青いボックスの写真も撮った。
信号が青に変わると、私は、足早に歩きだして、ホテルのほうに、向かった。

歩きながらまた考えていた。
SNSの彼のプロフィールを見た時、高校が中退になっていた。
彼はなんであんなに成績優秀だったのに、高校を中退したの?
まさか、東京に居る私を追いかけて??
でも、その後、群馬の大学に入っているわ。
まさか、高校を辞めたものの、上京する術が無くて、大検で受験し直したの?
なるべく私の近くの大学を選んで??
て、事は、彼、やっぱり私の事、好きだったんじゃないの??
それも、とてつもなく!!!
そんな彼に、「彼氏いるけど会いたいなー。」なんて軽く言っちゃった、私はバカ!大バカ!
彼、なんで海外に居るのかっていうと、私からなるべく遠く離れたかったからなんじゃないの??だから早い段階から海外出張とか海外赴任を選んでいたのね!
そうなのね!
彼に謝らないと!私のせいでごめんなさいって!!!

そう思い込んだ私は、もう止まらない。

私は、ホテルの部屋に戻った。

早速、彼に伝えるべき事をメモしようとした。


謝らなきゃ、と思っていたから。

あれ、でも、何かがペンを持つ私の手を止める。
あら?私、何を書こうとしてたんだっけ?

とりあえず、落ち着こう。
今何時だ?8時前か。あ、朝ごはん食べてないや。とりあえず食べよう。
あんだけ散歩したんだからお腹空いてるはずでしょ、とね。

1階のレストランに行く。たくさんの料理が並んでいた。
パン、ベーコン、オムレツをその場で作ってくれるキッチンには、フォーもある。
左手には、銀色の入れ物がズラっと並び、蓋がしてある。
ひとつひとつ、開けて見ていった。お肉の炒め物や、揚げ春巻き、野菜の炒めもの、シューマイ、おかゆに、スープ。
真ん中の柱を囲むように、フルーツジュース、ハムやピクルスなどの前菜、フルーツ、コーヒーと紅茶が置いてあった。

私、本来は食いしん坊なんですよ。全部の料理をまんべんなく味見したいタイプだったんですけど、その時の私が選んだものは、フルーツジュースとドラゴンフルーツとコーヒーのみ。
なんですか、この女優のような食事は。
私らしくない!

いや、私らしいって何だ?どんな人だった?私。

何か、頭がやっぱりボーっとする。
スイカジュースとオレンジジュースを飲んだ。美味しかった。
ドラゴンフルーツだけは、なぜかもりもり食べられた。おかわりしてたくさん食べた。
ベトナムコーヒーなので、フレーバーのいい香りがする。日本でもたまに飲むよ、私。
レストランで、コーヒーを飲みながら、ボーっとしていた。


何なんだろう、この感覚。やっぱり私、頭ボケボケになってるじゃん。
昨日だったか、結論出たんじゃなかったっけ?


色んな考えが、また頭を巡るのに耐えかねて、私は席を立って部屋に戻った。

もう、考えていてもしょうがない。
お土産でも買いに行こう!と思ってポーチから、ドンのお札を全部出してみた。


「0」 が多すぎて、全然分からない。


というか、もう、小さい金額順にお札を並べる事すら出来ない。


どう考えても、買い物できる自信が無くなった。
というか、何かが私を引き止めているような気がする。何?誰?

部屋のベッドにお札を雑多に置いたまま、座って考え込んでいた。
しばらくすると、お札が邪魔になったので、まとめてポーチに仕舞った。
そしてまた考えた。

誰?私に何かを書け、と言っているような気がする。


彼に伝える事?あぁ、そうだ、さっき書こうと思ったのに、書けなかったんだった。


彼には、私たちに誤解が生じたのは、彼が素直じゃなかったからだよ、と伝えるべきだと思っていたんだった。


そう、パワポに書いた段階では、正直に、という単語を書いたが、「素直に」のほうがしっくりきた。

私は、ペンを取ると、紙を探した。ホテルに据え置きのメモ用紙は無かった。
しょうがないので、昨日のスパの領収証の裏に書いた。

・もっと素直になりなさい。

よし!これだ!これを渡せばいいんだね!
さぁ、よく分からない私を動かしている誰か、書きましたよ!これを渡しますよ!いいですねー??
心で叫んだ。私は早く買い物に行きたいのだ。

そして、またお札を出そうとするが、頭がパンパンになってくる。
その時、頭の中に、ある光景が、フラッシュバックした。
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場所は彼のお葬式。
参加した私は、彼のお母さんからこう告げられる。
「あなたの事をずっと好きだったのよ。」
「えぇ、知っています。残念です。」
泣きながら、私は答えていた。
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私は、現実に戻った。
何これ。まさか彼、事故とか犯罪に巻き込まれるんじゃないでしょうね・・・。
怖くなった私は、また考えた。

えーと、バンコクにいると危ないから帰って来いって事?
あ、違う。犯罪に巻き込まれるような事をするなって事?
いや、違う。死ぬ前に会いに来いって事?
あ、これも違うのね。

何度か自問自答した。
誰が答えを知っているかって?
その時は、正解を導き出すのに精一杯でそんな事、考えていられなかったよ。

そして、私は、考えた結果、ピンときた答えを、黙ってさっきの紙に、追記した。

・海外は危ないから気をつけて

「よし!分かった!こういう事ね!
書きました!これを伝えればいいのね!
・・・あれ?これ、もしかして、彼の・・・お母さん??」

もう、私、部屋で一人で声出して言った。

明らかにちょっと頭おかしい人だよね。普通に考えると。
でもね、これ本当にあった事なの。本当に。

さぁ、もう、2つの言いたい事は書いた!さぁ時間が無くなるぞ!私は買い物がしたいんだー!って思って、ポーチからお金を出した。
「0」の数が多すぎてやっぱり分からない。並べ替える事すら出来ない・・・。

「もぉぉぉぉぉー!!!!まだ何かあるんですか、お母さん!!!」

私、また、声に出して言った。
あと、ちょっと笑っちゃったよ。なんでそんなに引き止めるのって。
「あ、あとこれも、あとこれも」って実家のオカンだよ、ホント。

「私に、何を言えと?!」

まだあるんですか?っていうような、ちょっと呆れたような表情になっていたと思う、私。
その瞬間、スラっと答えが出てきた。あまり考えなくても出てきた。

・うまくいかない時はいつでも帰っておいで(意地をはらずに)

私は、すぐにそれをメモした。

さぁぁぁぁー、もういいですね?いいですねー??
私は買い物に行きたいのですよ!お土産を買いたいのです!
バンコクでは時間があるか分かりませんので!

そう思った瞬間に、何かがフッと軽くなった。
あれ?居なくなった?何かが居なくなった?

私は、さっきまで起こっていた事が、自分でも信じられなくなってきた。
なんだったんだ、今の・・・。

はぁぁぁぁー、なんか、疲れた・・・。

とりあえず、今日、今これを書いた事を信じて貰えないと困るから写真撮っておこう。
と、スマホでメモの写真を撮った

私は、ポーチからお札を取り出すと、小さい桁の順に並べ替えた。
あれ・・・、出来るじゃん・・・。

そして、ポーチにお札と、たばこと、Wi-Fiと、スマホを入れて、ホテルの部屋を出た。
何も考えずに、ルームキーをサッと取って。
取れるじゃん・・・。

ホテルを出た私は、自分の使命がやっと分かった気がした。


あぁ、そうか。そういう事か。これは魂の叫び、切なる願いでしたか、と。


私、これを伝える為にわざわざバンコクに行くんだ、と。

街を歩きながら、彼に連絡した。正確には立ち止まりながら、だけど。
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2016/10/30 10:31
あ、つかぬ事をお伺いしますが、
ニノのお母さんってご健在ですか?

ニノ
2016/10/30 10:42
まだ生きてますよ
両親ともに健在です!


2016/10/30 10:58
ほほー、じゃぁ、お母さんスゴイわ。まあ、この話は会ってから。w

ニノ
2016/10/30 11:01
気になるな
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あ、皆さま、がくーん、ってなった?


これが、お母さんが亡くなってたりなんかしたらドラマチックだけど、現実はこんなもの。


でも、私、魂の叫びについては、ある程度理解してるから、生きてる人でも送れる事は知っていた。

しかし、とある母の大きな愛が、遠く離れた私に、まさかのメッセージを送ってくるとは思わなかった。


しかも、この時の私、お母さんに会った記憶ない。
ともあれ、このメッセージを渡しに行くんだね、とは理解したので、ちょっとスッキリした私は、ベンタイン市場に向かった。

続く→◆第10章:憧れの人との再会

サポート頂けるなんて、そんな素敵な事をしてくださるあなたに、 いつかお目にかかりたいという気持ちと共に、沢山のハグとキスを✨✨ 直接お会いした時に、魂の声もお伝えできるかも知れません♪ これからもよろしくお願いします!✨✨