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『「駐車するだけ」で電気自動車の充電完了 WiTricity』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.3.3

■「駐車するだけ」で電気自動車の充電完了 WiTricity

地面に敷設した充電パッドからEV側の受電パッドに非接触で電力を供給できるためケーブルを接続する必要がなく、ドライバーは自宅のガレージなどに駐車するだけで簡単に充電ができるのです。

スマホやイヤホンなど小型機器ではワイヤレス充電が実用化されていますが、電気自動車でも充電をワイヤレス化しようという試みです。

技術的にはスマホなどと同じ磁界共振技術のワイヤレス給電技術で、米マサチューセッツ工科大学(MIT)で開発、特許取得済みとのことです。

街中、近所でもBEV(バッテリーのみで走るEV)やPHEV(プラグインハイブリッド)が急速に増えてきた印象があります。特に我が家のエリアが戸建ての住宅街だということもあり、マンション地域よりは自宅の車庫に充電設備を設置しやすいのも充電式の車を見かける頻度が増えているのだろうと思います。


停めるだけで充電開始

今は車を充電するのにケーブルを使います。自宅用の充電用には比較的細くて軽いケーブルで済みますが、高速道路のサービスエリアなどに設置されている急速充電器のケーブルは太くて重く取り回しが大変です。高齢者など力が弱い人にはしんどいかもしれません。

EVがワイヤレス充電できるようになれば、車を停めるだけで充電開始できます。

これは便利ということだけでなく、EVをより安全に充電できることを意味します。お年寄りや身体が不自由な人が、重い充電コードと格闘する必要もありません。

もし将来エンジン車を廃止してすべてをEVに置き換える政策を進めるなら、特に高齢化が進んでいる日本や中国などではケーブルの取り回しの悪さはEV普及にとって致命的な弱点になる恐れがあります。「停めるだけで充電開始」は時代に求められるソリューションです。


ワイヤレス充電は遅い。しかし車は90%停車している。

スマホのワイヤレス充電を試したことがある人ならよくご存じだと思いますが、ケーブルを挿しての充電と比べて非常に遅いのが問題です。

特にスマホの1万倍ものバッテリーを積んでいるBEVだとどれほどの時間がかかるのかが非常に心配になります。ケーブルを挿しての充電ですら数時間~高速充電でも数十分はかかります。ガソリンスタンドで給油をするスピードの何倍も遅く、EV充電スペースで行列ができるとも聞きます。

高速道路の脇やテスラのような高速充電の必要性はありますが、大多数の人は、1日に160キロも走らないでしょうから、ドライバーの方は充電の大部分を自宅で行っています。
(中略)
光熱費が最も安い夜間に自宅で充電することができることもあり、EVはかなりの節約になるのです。

しかしこのEV用ワイヤレス充電がターゲットとしているのはまずは自宅からのようです。

比較的長く駐車されている自宅なら充電スピードが遅くても問題にならないケースは多いでしょう。

所有される自家用車の稼働率は10%ほどで、残りの90%は駐車場に止まっている時間だと言われている。

自宅の車庫に眠っている時間が90%という統計もあります。
出先でも目的地に着けば駐車スペースに停まっているわけで、車は多くの時間停まっています。

将来、外出先のどの駐車スペースでもワイヤレス充電されるようになれば、ワイヤレス充電は遅いということが問題にならなくなるかもしれません。少数の充電スタンドに行列することも必要なくなります。


ワイヤレス充電が普及すればバッテリーを小型化できる

今は少数の充電スタンドを頼りにしているのでBEVに積むバッテリーを大型化してガソリン車並みの長距離を走ることが求められます。

しかしこまめにいつでもどこでも充電できる状況、しかもケーブルを挿す作業なく車が停められている時は勝手に充電されているくらいの体験が実現できれば、車に積むバッテリーを小型化できます。

バッテリーが小さければ車両価格も安くなり車両重量が軽くなることで道路やタイヤへの負担も軽減できます。車の電費効率もよくなり、社会全体としての消費電力も抑えることができます。

究極的には走行中の道路からワイヤレス充電できればバッテリー切れの不安はほぼなくなります。

インフラ整備費用、整備されるエリアの偏在、電磁波の健康影響、悪天候時の充電可否など課題はたくさんあると思いますが、ワイヤレス充電×バッテリーの小型化はまずシティコミューターとしての車両・用途を中心に進み、その後インフラが整うにつれ普及がはずみ車に乗るのではないかと思います。

 私たちの長期的なビジョンは、あらゆる規模のEVにワイヤレス充電が当たり前のように搭載されるようにすることです。乗用車であれ、自宅のガレージやショッピングセンター、オフィスにもワイヤレス充電パッドがあり、駐車するだけでどこでも充電できるようになるといいですね。

 同様に、商用車市場においてもEVが普及するにつれて、この技術が活躍することが期待されます。街中を移動する自律走行シャトルカーも、ワイヤレス充電パッドの上に停車すればいつでも充電することが出来るようになるでしょう。今後、全てのEVがワイヤレス充電を利用するようになる世の中になることを期待しています。

今回のインタビューで最後に触れられている長期ビジョンでは非常に魅力的な未来を実現しようとしています。

新型プリウスにもPHEVが設定されましたが、急速充電のポートをなくし普通充電のみとなっています。自宅で充電することが大前提の仕様です。

こういうタイプの車はワイヤレス充電の環境に向いているはずです。
既発車両をワイヤレス充電に対応させるオプションがあるかはわかりませんが、車両側のワイヤレス充電ソリューションにも期待したいところです。

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