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『EUが「Web4」を提唱。分散型Web×アンビエント知能で社会全体が自動化される未来』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.7.13

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■EUが「Web4」を提唱、人工知能やメタバースなど関連戦略を開発へ

現在、分散型ウェブとして、Web3という概念が台頭し始めたばかりだが、欧州委員会が提唱しているのは、さらにその先を行くと考えられる「Web4.0」というコンセプトだ。

欧州委員会はWeb4を、「ワールドワイドウェブの第4世代」であり、人工知能(AI)とアンビエント知能、モノのインターネット(IoT)、信頼できるブロックチェーン取引、仮想世界(VR)、拡張現実(AR)などを取り入れたものだと予想している。

Web3も浸透していない中でWeb4ってどうなの?と感じる人はとても多そうですが、先を見据えると現在のWeb3も通過点でしかないことがよくわかります。

今回の発表の中で注目したのは、超基本的な部分である「Web3は分散型Web」という定義の仕方と、これまであまり耳にしなかったキーワード「アンビエント知能(Ambient Intelligence)」の2点です。


Web3は分散型Web

Web3とはなにか?の答えは人によって大きく異なるのが現状です。この記事の中でも

Web3とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。

という説明の仕方をしています。つまり「ブロックチェーン等を使った非中央集権型のネットワーク」と、そのネットワーク上で提供されるサービス類を指してWeb3だとしているようです。

他にもWeb1.0からの歴史からひも解いて

Web1.0 Read
Web2.0 Read Write
Web3.0 Read Write Own

と説明されることもよくあります。

いろんな説明の仕方がありますが、それらの共通項を一言で表すならば「分散型Web」だとしているのが今回のEUでの定義です。

Meta社が始めたTwitterライクなSNS、Threds(スレッズ)の本質は分散型SNSの思想である。という記事を先日書きました。

災害情報や避難情報を最速で伝達する、公共インフラ並みの使われ方をしていたTwitterが、経営トップのイーロン・マスクの方針ひとつで右往左往し崩壊してしまう超中央集権の弊害をわかりやすく露呈しました。

そこにタイミングよくぶつけてきたThreadsは、これから先Web3以降に求められる分散型思想で設計されており、中央集権要因で混乱したTwitterの課題を解消しようとしていることが最も注目すべきポイントだとしました。

大きくなりすぎたWeb2時代の各種サービスが、GAFAMのような大会社が提供する中央集権的に見えるものであっても、分散型思想で設計されていくのがWeb3以降のメジャーだという考え方です。

ブロックチェーンを使っていればWeb3なのか、自社でしか使えないNFTはWeb3なのか、プライベートチェーンはWeb3なのか、などの疑念はすべて分散型Webの程度問題だろうと思います。ブロックチェーンを使っていても思想的に分散化されていなければWeb3っぽくないと感じるのだろうと思います。

「Web3は分散型Web」と一言で説明するのは納得感が高いと感じます。加えて、純度100%分散のサービスだけをWeb3と考えるのではなく、分散の程度はこれからも幅があるものだと考えると一層わかりやすいと感じます。


アンビエント知能(Ambient Intelligence)

2つ目の注目点はアンビエント知能という聞きなれないキーワードです。

EUが提唱したWeb4の中に登場するキーワードの多くは特別新しくありません。ブロックチェーン、IoT、VR、ARなど見聞きしたことがある言葉ばかりです。

その中でもこのアンビエント知能というキーワードは異質に感じました。

略してAIとなるところがややこしいのですが、

アンビエント知能(Ambient Intelligence)は、身の回りの環境に埋め込まれたデバイスやセンサーが、ユーザーのニーズなど把握し、自動的にサービスを提供することを指すものだ。

上記の説明だけだとIoTの延長線上にある発想のようにも見えます。

重要なのは、
・デバイスレベルで独立分散されること
・「ユーザー」が人間だけに留まらないこと
だろうと考えます。

「身の回りの環境に埋め込まれたデバイスやセンサー」はIoT機器というよりも、単独で動作する独立したサービス提供主体になるのではないかと思います。

機器単独での動作が最も小さな単位ですが、1社単独など今は当たり前なサービス提供体制はWeb4時代では特別な位置づけになる。複数社のサービスが組み合わされて提供・利用するのがデフォルトで、1社単独は緊急時の例外になるのではないかと思います。

また「ユーザー」のメインは機器やサービスになり、必ずしも人間を指さなくなるのだろうと思います。

AIボット、NPC(Non Player Character)などヒューマノイド的なものから、Webシステム・Webサービスまでが自動的にやりとりする状態。社会全体が知能を形成しているように見えるのがWeb4でのアンビエント知能だろうと思います。

機器と機器、サービスとサービスを、上手に中継ぎする自動化プログラムがアンビエント知能であり、サービスの組み合わせ方やニーズの捉え方の上手さをアンビエント知能を提供する各社が競争するのだろうと思います。

アンビエント知能を構築する基礎技術が、いわゆるAIになります。
人間の仕事を奪うどころか、機器・サービス・システムをアンビエント知能が自動的につなぎ、ニーズを把握し、自動処理する。これがAIの真骨頂なはずで、文章や画像を生成するAIに驚いているのは今だけです。

システム全体がアンビエント知能によって自動処理される状態になった時に人間からAIに置き換えられる仕事の量は計り知れません。


分散型思想×アンビエント知能で社会を自動化する未来

分散型という思想がWebサービスやデバイス機器、お金や所有権などにまで浸透し、現在のAIの発展形であるアンビエント知能がすべてをつないで自動処理する状態。これがEUが見るWeb4の時代性だろうと思います。

かなりSFチックに聞こえるかもしれませんし、Web4の想定する時代にはまだまだ不完全なものだろうと思いますが、テクノロジーと人類が向かう大きな方向性を示唆していると思います。

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