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『日本酒の海外展開にNFTと開封検知ICシール。「トレーサブルNFT」活用が広がる』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.2.6
■日本酒にトークン発行 商品価値UP目指し 大手銀行が新たな取り組み
日本酒の海外展開を後押しする新たな取り組みがスタートした。
ICタグが組み込まれたシールは、日本酒の瓶を開封すると、ICタグにつながった電線がシールと一緒に切れることで「開封された」情報が反映され、偽造防止になる。
日本酒が海外市場で競争力をつけるためには、ワインやウイスキーのように、「熟成期間」によって価値が上がる「熟成酒」を増やす必要があるが、長期の資金調達が課題となっている。
そこで、「SBIトレーサビリティ」と「三菱UFJ信託銀行」は、偽造を防ぐブロックチェーン技術を使って、日本酒の権利を個人が所有できるシステムを作り始めた。
これによって、酒造会社は熟成段階から権利を販売することができる。
お酒×NFTやブロックチェーンの活用はUnicaskが有名ですが、日本酒の海外展開を後押しする目的でブロックチェーンを活用する事業に三菱UFJ信託銀行がSBIグループと共同で乗り出しました。
日本酒の希少価値をNFT化するフロー
ブロックチェーンの活用箇所やフローは
こちらのニュース記事に非常にわかりやすく掲載されています。
日本酒の醸造後、瓶詰め前の段階からその日本酒を入手できる権利をNFT化して小口販売して日本酒メーカーは資金調達。
小口で権利を入手した人は将来の値上がりを期待してNFTのまま所有し続けても良いですし、瓶詰め前に酒蔵に訪れて先に味わってもよし。
瓶詰め後はボトルの日本酒を入手する権利NFTに交換することで、ボトルがあと何本あるのかを可視化して希少価値を見える化します。
ここまではほぼUniCaskと同じモデルです。
ボトルの封を切ったことがわかるICタグ入りシールが独特
ユニークなのは、先に紹介したニュースの方に掲載されている開封確認のシールです。
ICタグが組み込まれたシールは、日本酒の瓶を開封すると、ICタグにつながった電線がシールと一緒に切れることで「開封された」情報が反映され、偽造防止になる。
瓶詰めされた日本酒を「買う権利」をNFTで売買する仕組みであるため、現物の日本酒を見ることなく売買されることが想定されます。
実物が本当にあるのか、そして中身が飲まれてしまっていないかを、特に簡単には確認ができない海外など遠隔地の人が信頼して売買するためには、「手元にあること」「未開封であること」を売買するその時々で証明する方法があると安心です。
このICタグ入りシールはおそらく、スマホでスキャンすると「まだ封を切られていない」ということを応答するのだろうと思います。完璧を期すならその時刻と状態をブロックチェーンに刻むことで証明すると最高です。
その「まだ未開封です」の情報が添付されているNFTなら、未開封であることを信じて購入することができます。
温度や湿度など保管状態や瓶割れまでは未開封証明シールだけでは証明しきれませんが、将来は温度・湿度のログが記録され定期的に公開されるセンサー付きの瓶が開発されるかもしれません。1本数百万円という価格帯になってくるとログの需要は高まりそうです。
状態履歴をブロックチェーンに刻む「トレーサブルNFT」という考え方
「トレーサブルNFT」とは、三菱UFJ信託銀行が開発したデジタルアセットの発行・管理基盤「Progmat(プログマ)」とSBIトレーサビリティが提供するトレーサビリティ基盤「SHIMENAWA(しめなわ)」を組み合わせ、現実社会における個別の具体的な商品(リアルアセット)などに関する権利と明確に紐づけられたNFTを指すという。
今回は日本酒についてでしたが、状態履歴をブロックチェーンに刻んで管理する方法はさまざまなものに応用できます。
以前ご紹介した自動車のメンテナンス記録をNFT化する試みもそうですし、人間の学習履歴・活動履歴もこの分野です。将来は住宅やビルなどの建築物、橋や道路、水道管やガス管などのインフラにも応用されるのではないかと予想しています。
NFTというデジタルデータそのものを売買することから、実物の管理履歴を証明することへのNFTの適用に徐々に広がっていき、NFTの意味や役割が浸透していくのがこれから起きることだろうと思います。
履歴を記録し証明することに価値があるケースはたくさんあるはず。周りを見回してみるとNFTの意外な使い方が思いつくかもしれません。
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